雑誌「世界」2013年6月号の内橋克人×小森陽一対談「グロー バル化の総仕上げ としての自民党改憲案」日米安保が日本国憲法を最終的に変えようとしている姿が自民党の改憲草案
今日の会議で、2012年の介護保険の改悪、具体的にいえば、介護職員への喀痰吸引業務の移行や家事援助の切り詰めが、介護保険を質の低い「医療保険化」=療養保険化するものであり、、さらにいえば、民間生命保険、医療保険の優位を前提とした「公的医療保険と介護保険の一体化」の第一歩だとし、これこそがTPPの狙いだと提案文書に書いておいたところところ、早速クレームがついた。
TPPが問題になる以前からその傾向はあったというのがそのクレームの根拠である。その時はそれにしたがって、文章を書き直すことにしたのだが、「TPPが問題になる以前からTPP路線はあった」、と言えば、そのクレームは解決できたのに、と後で気づいて少し悔しい思いがした。
TPPは歴史的には2006年から始まる一貿易協定に過ぎないが、TPP路線といえば、アメリカが19世紀終わり頃から一貫して追求している世界戦略の総仕上げのことになる。
このことは、実は、雑誌「世界」2013年6月号の内橋克人×小森陽一対談「グローバル化の総仕上げとしての自民党改憲案」のなかで、「アメリカのグローバル化の総仕上げとしてのTPP」という表現で内橋克人さんが言っていることである。(114ページ)
そして、そのことへの日本側での反応が、自民党改憲案である。そのなかで突出している安倍首相の歴史認識に米国が不快感を示すなど表面的にはねじれが見られるが、「日米安保が日本国憲法を最終的に変えようとしている姿が自民党の改憲草案なのだ」という趣旨を小森さんが言っている。
大きく言って、日米安保締結以後の日本の歴史はアメリカによる日本の富の収奪なのである。
日本の高齢者がその終末期を悲惨なかたちでしか迎えられないのも、実はそのためなのだ。
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