病院当直の夜の患者さんが途切れた時に、水野和夫・大沢真幸「資本主義という謎」NHK出版新書2013を読み始めてみたのだが、途中で全く別のことを考えてしまった。
この本の最初の所に書いてあることと、柄谷行人の『世界史の構造』岩波書店2010との関連である。
以下のようなこと全てがは、この本に書いてあるのではない。読み始めたばかりで、僕が持った見通しである。
例によって〇は勝手な要約、*は僕の感想である。
〇どの社会でも、経済はカール・ポランニ―が提唱したように①互酬 ②再分配 ③市場での商品交換の3パターンの組み合わせからなっている。
資本主義社会では③市場での商品交換が優位(ドミナント)になる。
〇だが、市場=資本主義ということではない。
商品交換のための市場を1階にして、資本家と労働者という生産関係が2階に出来上がったのが資本主義。
それはブローデルという人が言っている。
〇15世紀の大航海時代から始まった世界市場システム、柄谷の用語でいえば世界=経済は、市場の世界的な広がりにすぎない。
そこにあるのは新しい産業資本主義でなく、古い商業資本主義でしかない。
だから、これをウォーラ―ステインが「世界資本主義システム」と名付けるのは相当おかしい。
「世界=経済システム」と名付ければ、それ以前の「世界=帝国」との違いが際立つはずだ。
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