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2013年4月10日 (水)

じん肺合併肺癌が食道浸潤して、食道癌と診断してしまった例について

最近、食道の腺癌を2例診断した。

1例は異所性の胃粘膜から発生したものと推測され、全国的にこのタイプが増える傾向があるという話が納得できた。

もう1例は労災に認定されているじん肺の患者さんで、実は、今日、その患者さんが治療の効果なく亡くなったという知らせを紹介先の基幹病院の外科から受け取った。(食道癌はその病院に全部紹介しているのである)

実は、その知らせで、食道原発の腺癌でなく、じん肺に合併した肺癌(腺癌)の食道浸潤だったということを初めて知らされた。振り返ると確かに食道原発の扁平上皮癌(多数派)、腺癌(少数派)とは全く違う肉眼像だったので、まずそれを考えるべきだったと反省した。

*じん肺に合併する肺癌には扁平上皮癌が多いと書いてある本もあるが、それは証明された話ではなく腺癌ももちろん多い。

そのとき、ふと気付いたのは、この肺癌もまたじん肺の合併症であるから、紹介転院後の経過全体が労災保険対象になるということだった。労災保険以外は自己負担のある人で遺族もいるので入院費や遺族年金の経済補償がなされるかどうかは大きい。

そこで、即座に労災保険担当事務のI君を呼んで対処を依頼しようとしたところ、それはすでにI君のアドバイスで解決済みだと言う。基幹病院で病状説明を受けた家族がすぐに来院してI君に相談して、基幹病院での治療も労災保険適用になったし、遺族年金も申請済みだという。

僕の知らない所で、みんな力を着けている。医者はぼんやりしていても病院全体はスーパー病院になりつつあるのだ。

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