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2013年4月24日 (水)

どのようにして山口県に総合診療医養成システムをつくるか

昼休みに、山口大学医学部地域医療推進学講座(山口県の寄付講座)に福田吉治教授を何度目かの訪問。

福田先生は東京医科歯科大学出身で本業は優秀な社会疫学者である。

日経サイエンス2006年3月号にサポルスキーの「貧しい人はなぜ不健康か」を訳したこともある。

山口県では珍しい知的な医師である。

今日の話のテーマは、「どのようにして山口県に総合診療医養成システムをつくるか」ということ。

聞いてみると、すでに福田先生の呼びかけで県下の公的病院にプライマリ・ケア連合学会の指導医4人、認定医20人が生まれている。

とくに中央が総合診療医養成方針をトップダウンで降ろした社会保険病院が(山口県では徳山中央病院、下関厚生病院の2病院がそれに当たるが)、特に熱心に取り組んでいる。

9月には筑波大学から前野哲博先生を招いて講演会を開き、グループ化し新しい研修プログラム編成も進めるつもり。

専門医志向のきわめて強い大学の中では少しづつ進むしかない、それが苦労だと福田先生は言う。

山口民医連は指導医3人がいるので、その数は拮抗していると告げたが、当面民間中小病院に呼びかけを広げる予定はないし、

また山口県の修学資金を受けている人には義務的な勤務年限があるが、その勤務先は公的病院が指定されており、民間病院も認められる見込みはないとのこと。

しかし、

「へき地医療の自治医大グループ」、

「救急医療の公的病院グループ」、

「在宅、高齢者医療の民間病院、診療所グループ」

の3グループががっちりスクラムを組んで横断的に研修先を組織しなければ、総合的で魅力的な研修プログラムはできないのではないか、

というのが僕の主張である。

そうやって、全国から総合診療を学びに来る山口県にしよう。

それは、民間中小病院にとってはきわめて強いインセンティブになる。

「それは分かっているが、壁は厚い。」

福田先生はずっと山口県に残って、その壁を壊してくれるのかな?

「私の将来がどうなるかは私が聞きたいくらいですよ」

ともあれ、山口民医連が、福田先生の構想の中に入っていない民間中小病院や在宅医療に熱心な開業医にプライマリ・ケア連合学会の制度への参入を呼びかけよう、

それには福田先生も協力してくれるということで短い話し合いは終わった。

これから急いで6月か7月には山口民医連側の企画を実現させるつもりである。

*4月30日記:最初に書いたものに誤りがあったので、福田先生の指摘を受けて訂正した。

大きく言って2点である

①社会保険病院2病院が山口県の総合診療医養成のネットワークの中でどう位置付けられるかまだ決まっていない。

②山口大学医学部に地域枠で入学した学生の就職先は自由である。制限があるのは修学資金を貸与されたものの話である。

**山口民医連の企画としては、北海道の草場鉄周氏の講演を企画している

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