科学的社会主義の「科学的」の再定義
畏友の今田先生(宮城民医連)が、流行に惑わされずに今ごろサンデルの正義論の本を読んでいると聞いて、改めて自分のブログを開いて、自分がどんな感想を書いていたか確かめた。
例によって、自分が書いたことなのに、すっかり忘れていて、しかもきわめて興味深い記述がそこに現れる。
厚顔無恥と言われることを覚悟で、ここに自己引用しておこう。
「
*貧困や格差が進行すれば自動的に革命の機運が高まるというのは間違いだ。カントや、ロールズやサンデルやアマルティア・センや社会疫学の主張や成果によって、貧困や格差が不正義だと証明されるから、人々が革命の必要性を徐々に確信していくのである。
*窮乏から革命に事態が転化するには、科学的な事実に基づく冷静な「正義論」が必要なのである。
*「科学的社会主義」という用語も、エンゲルスが言うように「社会主義への移行の必然性が科学的に証明された」からというより、「資本主義が多角的に科学的に解明され、その全体像が人々の共有する倫理や『正義』にとって許容できないものと判明するため生起する社会主義」と定義すべきではないだろうか。」
| 固定リンク
« 児玉聡「マンガで学ぶ生命倫理」化学同人社2013 | トップページ | 民医連は良心的・総合的な地域医療をめざす統一戦線なのか、「 新しい福祉国家」を推進する活動家集団なのか、現状維持を当面の課題とする経営体連合なのか »
コメント