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2013年3月11日 (月)

雑誌「世界」2013年4月号からメモ 内橋克人プラス清野幾久子対談

読んだ順に。

○は恣意的な引用。*は僕の感想。

①シリーズ「内橋克人の憲法対談」『福田徳三に学ぶ」
内橋克人×清野(せいの)幾久子

戦前1874-1930年に生きた厚生経済学者 福田徳三が、16年の空白を超えて戦後1946年の憲法25条「生存権」成立の根源になったのはどういう経路だったか、そして今後生存権はどう発展していくべきかが語られている。

福田徳三の影響を強く受けた当時の社会党国会議員・森戸辰男が、ベアテ・シロタ・ゴードンらの作ったGHQ憲法草案を発展させて憲法に「生存権」を加えるように主張したことは次第に知られつつあるが、実際にそれを実現させたのは有名な鈴木安蔵でなく「鈴木義男」(社会党国会議員、東北学院院長)のほうだったことまで分かっているということである。

健康権と生存権、およびその関係について興味を持つ方には必読の対談。

*なお175ページ 森戸辰男を、「辰夫」と誤記している。

②対談「ベアテ・シロタ・ゴードンさんを偲んで」辻村みよ子×古関彰一

○ベアテ・シロタ・ゴードンたちGHQ民政局の若手職員が憲法草案起草の主役だったことが明らかになるのは、意外なほど遅く1990年以降のこと。これはGHQがかん口令を敷いていたからである。1993年に、ベアテとケーディスが来日して初めて当事者として証言し、土井たか子はじめ日本の憲法学者と会った。

○自民党の改憲草案は、護憲/改憲の範囲を超えて、原点であるポツダム宣言受諾を否定するものである。

自民党の改憲草案に賛成する人は、まず遅ればせながら真っ先に徴兵されて国防軍に入隊すべきである。潰瘍性大腸炎が治癒したという安倍晋三君も例外ではない。また、1945年8月15日の終戦を否定して、連合軍との交戦を再開しようというべきでもある。そうでないと首尾一貫しない。

③ 鈴木宣弘 「最悪の選択肢・TPP  許しがたい背信行為 この国に未来はあるのか」

○自動車については、すでにゼロ関税の日本市場なのに、「米国車の最低輸入義務台数を設定しろ」と日本政府は米政府に要求されているが、ひた隠しにしようとしている。こうしたことが、TPPの「頭金」でこれらを履行したとき、ようやくTPP参加が認められるという筋書きである。

○逆に、米国の自動車市場には2.5%の関税があるが、10年近い猶予期間を米国側から要求されている。

○スティグリッツは「TPPは1%の1%による1%のための協定」だと言っている。○TPPでベトナムへの投資が自由となれば、日本の国内雇用はさらに激減し、国内産業は一層空洞化する。これはアメリカも同様で、アメリカの世論調査でも69%がTPPをやめてくれと言っている。

○米国企業が自己の利益確保のため日本政府を訴えることのできるISD条項は「学校給食に地元の旬の素材を使いましょう」ということにも及ぶ。農業も食の健康も、教育もこうして破壊される。

○遺伝子組み換え植物の安全性はアメリカが認めているので、わざわざその表示をする必要はないということが押し付けられる。その結果は、遺伝子組み換え食品が主流となり、食物の安全が無視されるというだけでなく、農家がその植物の種を自家採取することができなくなり、米国の農業会社から全部買わされるということである。これにより、インドの農村の自殺率が上昇している。

○2011.12 米国の公聴会で、日本が不透明な理由で米国農産物の締め出しをしていると米国政府が日本攻撃をしている。

○TPPで日本が得られる利益は、アジア内のどのような二国間FTAより少ない。どの官庁もメリットを示そうと試算して失敗している。

*TPPは、日本政府が、米国政府や米国富裕層に振っている売国・亡国的な犬の尻尾である

○米韓FTAがモデルだとアメリカは日本に言ったが、日本政府はその内容にかん口令を敷いた。韓国政府も自国民に内容を知らせることなく、与党単独採決で強行した。

○米韓FTAにおいて韓国が米国に払った「頭金」は①遺伝子組み換え食品の自動的受け入れ ②健康保険のきかない医療特区の創設 ③BSEに関する輸入牛肉の条件緩和だった。 日本もTPP参加に際してこれくらいを求められる。それを払ってしまうだけでも取り返しがつかなくなる。

○「加入やむなし、残るは条件闘争」という考えは最悪。

○カナダは日本との貿易が不利になることを見越してTPPに参加した。ここで日本がTPPを蹴ることはカナダ国民の幸福にもつながる。日本が世界を暴力的な経済協定から守る砦になるチャンスがここにあるとみるべきだ

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