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2013年3月 5日 (火)

2013.3.4 NHK-BS マエストロの肖像「ウォルフガング・サヴァリッシュ~音楽に愛された男~」

僕は音楽のことなど全く分からないのだが3月4日深夜にNHK-BSプレミアムで放送されたマエストロの肖像「ウォルフガング・サヴァリッシュ~音楽に愛された男~」は興味深く見た。その日の昼間の仕事に由来する強い頭痛に我慢できずにアセトアミノフェンの錠剤を服用したばかりだったのだがそれもいつの間にか忘れてしまった。

特に印象に残ったのは最後のシーンで、年老いた指揮者が自ら指揮している音楽に聴き惚れて何度も微笑みを浮かべるところである。

厳しい練習を経て公演に臨む時、指揮はもうほとんど不要なのだろう。そこでは指揮者は自分の作りあげた音楽を聴きとるだけの役割しかない。

その時に演奏されていたのは現代音楽だったが、彼がにやりと笑うとき、確かにオーケストラは僕が聞いても分かる意表を突く音を鳴らしていた。それに気付くと、普段の僕ならけっして興味を抱かないだろう新しい音楽が楽しみに満ちたものに変わっていた。

音楽を構造の全体として受け止めるときの無限の豊かさにとらわれてしまったら、退屈な読書の世界に帰って来れないのではないかと心配になるほどだった。

もちろん、僕にはその感興を持続させるほどの素養や経験の蓄積は何もないので、番組が終わるとまもなく何事もなかったように「哲学の起源」などの方向に帰ることができたのだけど。

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