丸善のハヤシライスにデビュー ・・・若者に必要なのは政治参加というインセンティブで、それは途上国と同じだ
東京駅丸の内北口近くの丸善本店に初めて行った話は以前に書いた。根が臆病なので、そこの4階にある喫茶店で名物のハヤシライスを食べることはそのときは出来なかった。
2月16日は鳥取のM先生が一緒に行ってくれたので、ようやくそこに行くことも出来てお上りさんらしい楽しみを久しぶりに味わった。山手線で神田方向に東京駅をすぎたすぐあとで人が沢山いるように見える喫茶店がここだね、とM先生が言った。
帰りには柄谷行人「哲学の起源」と雑誌「atプラス」の「<哲学の起源>を読む」特集を買った。
それから朝日生命ビルでの民医連評議員会に参加し、夜は宇都宮健児弁護士の講演を聞いた。
山口県知事選挙での飯田哲也氏から東京都知事選挙の宇都宮さんの立候補に至るまで、東日本大震災、なかんづく福島原発事故がリベラル側の選挙対策の様相に風穴を開けたとも言える。
小熊英二氏がいうように、代議制・選挙・多数決と民主主義はそもそものところで関係がなくて、(*1848年の革命の頃から)便宜上結びついただけのもので、実は反民主主義やファシズムに合法性を与えるに過ぎない隠れ蓑となっていたものが、いま、その便宜上というところが質的な変化を遂げ始めている。
しかし、いまや民主主義は代議制を使いこなすことが可能になる、あるいは自らの本質的な一部とすることができるようになろうとしているのかもしれない。。それは別の言葉で言えば、直接制民主主義と間接制民主主義の関係の変化である。
これまでの代議制を想定した旧態依然とした選挙を続けていてはだめなのだろう。
使い捨て労働に喘いでいる圧倒的多数の青年が、自ら政治参加することでしか状況の改善はないということに気づいて初めて政治は変わる。それは開発途上国の若い国民が持つ展望と本質的に同じである。
若者に対して、彼らのケイパビリティ(獲得しうる生活諸機能の幅)拡大と政治的自由に向けた政治的インセンティブ=政策誘導を行うここそが途上国にも日本にも共通した年長者の義務である。
それは、宇都宮氏の示唆によれば、憲法の条文を机上学習することでなく、憲法に保障された権利の実際の行使を彼らの骨身に染みたスキルにすることなのである。
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