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2013年2月18日 (月)

安易な学習企画の害

今日は、さまざまな学習企画の意味を考えてみた。

安易な学習企画は、「感動をもらった」という感想で終わって本当に必要な体験をかえって遠ざけてしまい、講師の時間と活動に必要な資金を無駄遣いする結果に終わっていないだろうか。

というのは、長野の色平哲郎氏が今日のFBに長野県小海町に拠点を置く「山谷(やま)農場」を紹介していたのを見て、主催者の藤田 寛さんの話を聞いてみたいという気持ちが僕に動いたのを、少し冷静に客観的に考え直してみたからである。

僕は初めて知った気がしていたが、少し調べると山谷農場のことを2009年6月27日のしんぶん赤旗がすでに報道していることが分かった。

近在の農家の提供してくれる米や野菜を東京都内の4か所の炊き出しに提供し、同時に上伊那医療生協が解雇された日系ブラジル人を支援する活動にも協力していたが、都内の需要量が増えて上伊那に物資を回せなくなって困っている、という話だった。(それがその後どうなったかは、知り合いで上伊那生協病院長の清水先生にでも聞かないと分からない)

これは広くいうと「フードバンク活動」ということになるが、もしこれが重要だと思ったら、情報はこの程度で満足して、まず動いてみることの方が必要だろう。山口県内の農家や商店の善意を北九州のホームレスにつなぐ媒介役になるにはどんな困難があるかはそこから分かってくる。

ここでより容易な「藤田さんの活動を聞く会」などの企画に熱中し、その参加者の数が100人を超えたから「成功した」などといってみてもどうなるものでもないだろう。それはその学習会を機会に偶然その活動に熱中してくれる誰かが見つかるかもしれないという願望を出ないものだ。

だが、自分の中にはそういう活動のステレオタイプが染みついている気がする。学んで自己満足するのは好きだが、体は動かさない、ということである。

学習会を開くよりまず自分の思いを周囲に語って、具体的に動く第一歩をどうすればいいかを教えてくれる人を探す、自分のactvistとしてのスタイルをそういう風に変えないといけない(ここでactivist と書いたのはただ流行を追ってみただけである)。

結局、有言不実行は無言不実行より、時間と金の経済にはかえって良くない、ということをくどくど言ったにすぎないが、これを書いたので少し気分が上向いてきた。

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