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2013年2月16日 (土)

薬は商品であってはならない・・・カール・ポランニーから

民医連内のある文書で「薬の2面性」という言葉を読んだ。

使用価値と交換価値の2面性だという。

だが、それは、私たちの社会では薬が商品になっている、ということの意味合いでしかない。

全ての商品は2面性があるのである。

ここはこう書くべきではない。「薬は本来商品であってはならない」とはっきり言明すべきである。

たとえ、商品であることから逃れられないとしても、特別な商品としての厳しい規制が安全性だけでなく、価格に対してもかけられるということにならなければならない。

ある種の生産物を商品世界から「自動的に排除する」ことは人間の歴史に根ざしている。

たとえば、カール・ポランニー「経済の文明史」ちくま学芸文庫2003 第10章「制度化された過程としての経済」。

ここでいう経済は節約に起源を持つ市場経済・貨幣経済という形式的経済のことではない。
実体経済という、人と環境の交渉過程を制度化した経済である。

実体経済には、互酬、再分配、交換という三つの主要パターンがある。

交換には駆け引きや取り引きを伴うが、その時には対立的要素が生まれることを拭い去ることができない。

しかし、成員の団結を守ろうとする共同体であれば、食物の様な生存に不可欠なものに関して敵対的感情を発達させることを避ける。そのため、原始社会、古代社会は食糧に関する交換において駆け引き・取り引きを禁止し、その後、価格決定市場が出来上がったとき、食糧についてはそれを自動的に排除したのである。

薬は生命に直結することから食糧に準じる、したがって、市場にその移動(取得)を任せることは出来ないということは、人間の歴史に根ざした直観として誰もが納得できるので、正々堂々と主張することをためらうべきではないのである。

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