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2013年2月 7日 (木)

草の根から医療を変えようとする3つの雑誌:地域医療振興協会「月刊地域医学」、全日本民医連「民医連医療」、保団連「月刊保団連」

医療活動とまちづくりを結ぶ過程論を探して、地域医療振興協会発行の「月刊地域医学」のバックナンバーをまとめて読んでいる。

地域医療振興協会はおおざっぱにいえば、自治医科大学の卒業生が中心になって全国各地の、おもにへき地の病院・診療所・介護施設を運営する公益社団法人である。

センター病院は、国立病院廃院ー社会保険病院への転身を経たあと、社会保険庁から公設民営の形でこの協会に運営を委託された東京北社会保険病院である。
ここでしっかりとへき地医療の精神と技術を身に着けさせた医師を全国に派遣しようという意図を持っている。
民医連でもかっては甲府共立病院、秋田中通病院、北海道勤医協中央病院などがそれに似た役割を果たしていたが、民医連は各地での独自発展路線をとり、それらの大病院もそれぞれの道や県での民医連運動の一センターに降格した。これは当然の発展であったが、各県の医師同士が県を超えて「同じ釜の飯を食う」ということが減り、運動が分散的になるという弱点もあった。それが最近の民医連運動の停滞に関連していないとも言えない。

話を地域医療振興協会に戻して、最近、社会保険栗橋病院の本田 宏先生が入院率30%という経営不調を指摘していた練馬光が丘病院も、日大が引き上げた後を協会が引き受けた病院である。これは押し付けられたものかもしれない。これは本題に関係しない話である。

そこで、僕が言いたいことは「月刊地域医学」は地域医療振興協会にとっては、たとえれば全日本民医連の「民医連医療」誌に相当する、というなんでもない気付きである。

医療を通じて地域を変えよう、改善しようとする医療雑誌として両者は共通するので比較してみたくなるのは自然である。

自治医科大学の卒業生数は民医連に毎年入職する医師数より少ない、協会が運営する医療機関数は民医連の数十分の一、ということからみれば、「月刊地域医学」の医療雑誌としてのレベルの高さはむしろ不思議だ。よほど資金が潤沢なのか、書き手たちが優れていて、かつ余裕があるのか。

一方、「民医連医療」誌は民医連が企画する各種の交流集会での講演記録的記事が多く、言ってみれば各病院の院内報が拡大されたものという趣が強い。学術レベルは残念ながらそう高くないだろう。特集テーマもときどきの政治情勢とは少しずれることが多い。記事の文章も編集部が推敲をきつく迫らないので玉石混交である。

その分いろんな職種が登場し、テーマがより現場サイドなので、「月刊地域医学」側の読者からみれば新鮮かもしれない。

もうひとつ「月刊保団連」誌がある。たとえば最新の2013年2月号は障害者医療の特集で、メインの論文はびわこ学園の高谷 清先生となっている。
論文数は少ないが、特集のテーマ選択は鋭く、保険医協会外への著名人への依頼原稿と全国各地で実践している保険医協会員医師の少数の実践記録の組み合わせというスタイルが一貫している。
タイムリーなテーマに興味を喚起され読みやすくもあるが、著名人と医師以外は登場すること少なく、幅は狭いともいえる。
商業的でない地域医療雑誌として、一度この3者の編集部が集まって交流してみるとどうだろう。
考えてみると、厚生連にも似たような雑誌がある可能性がある。調べてみることにしよう。

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