雑誌「」2013年3月号の不破哲三「連載 スターリン秘史」
雑誌「」2013年3月号の不破哲三「連載 スターリン秘史」を友にして、長い当直+日直の開始。
現状と読んでいるものの両方に漂う悲壮感のため、つい「当直が始まるや否や、怒涛のようなインフルエンザの進軍である」などと呟いてしまう。
患者さんが引きも切らないのだが、診察の合間に次のような問題を作ってみるのは、ベテラン医師としての僕の余裕である。
問題
以下の文章のA、B、Cにあてはまる言葉を、自分の関心に引き寄せながら答えよ。
「現実の深刻な事態に目をそむけ、旧来の諸方針を無神経、無感覚に並べて恥じないこの姿勢のうちには、A( )政治へのB( )の危険な登場の全過程を目の前に見ながら、またそれと闘うべき一定の闘争力を持ちながら、結局、なんらの有効な措置をとれなかったC( )の政治的破綻が何よりも明白に表現されている」
出所
同誌206ページ 解答はこのページの最後
こんな風に未来の不破さんから言われないように僕たちもしっかり運動を進めないといけない。
それは、ともかくナチスの台頭に対するコミンテルンとスターリンの関係は複雑を極める。
すでにレーニンを裏切って、〈農業集団化・反対農民の懲罰的大量追放・重工業中心の強国化〉の路線に踏み切り、ブハーリンを攻撃し始めていたスターリンは、極めて危険で攻撃的なナチス・ドイツの完成に脅える。
スターリンは、彼自身の過去の路線を忠実に実行して社会民主主義主敵論に陥ったためファシズムへの闘いで大失敗したコミンテルンの愚かしい執行部を交替させて、社会民主主義とも資本主義国とも協同する反ファシズム統一戦線の 路線を構想する。
このために起用されたのは、ナチスによるドイツ国会放火事件の犯人にでっち上げられながら見事な法廷闘争で無罪を勝ち取ったディミトロフだった。
その作戦は成功して、まずフランス共産党が統一戦線論の実践で未知の地平を切り開く。この時点でのスターリンは、よく言われるようにこの路線の妨害者だったのではなく、路線転換の発案者だったのである。
しかし、それと時を同じくして、彼はキーロフ暗殺から始まる残酷きわまる大規模なテロを始め、ブハーリンも殺してしまうことになる。その理由は連載3回目に明かされるらしい。
ところで、スターリンの急進的な工業化・強国化は、犠牲の大きさから見て、天皇制の大日本帝国や鄧小平以降の中国に僕には同じものに見える。
となると、中国共産党の支配も天皇制日本やソ連と同じようにやはり終わらざるをえないのではないだろうか。天皇制日本のように終わり間際に無謀な戦争をおこさなければいいのだが。
*不破さんの解答
A=世界 B=ドイツ・ファシズム C=コミンテルン
**僕の解答
A=日本 B=安倍流のファシズム C=?
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