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2013年2月19日 (火)

雑誌「日本内科学会雑誌」2012年12月号:教育病院連絡会議の特別シンポジウム「総合医と内科医」・・・人口1000人当たり1人の総合医、日本全体では12万人、医師総数に比べて40%、もし医師がOECDなみに37万人いるとすれば33%というのが目標数ではないだろうか。

雑誌「日本内科学会雑誌」2012年12月号は「医療安全と診療の質」特集だった。
来月の全日本民医連ー医療安全交流集会を控えて、民医連(内科)医師にとって必読かと思えるが、この号にはもう一つ重要な記事があった。

内科学会の教育病院連絡会議の特別シンポジウム「総合医と内科医」の記録である。

そのなかで聖路加の福井次矢先生は、総合医のグループが確立したとしても、イギリスのようにアクセス制限をしてまず総合医を受診させることはしないほうがいいという、きわめて妥当な主張をしている(3550p)

総合医をまず受診する方がよりよい結果につながることを10年、20年かけて国民が実体験で納得する期間が必要だというわけである。

(まるで、1917年の革命の後でレーニンが圧倒的多数の農民をどうして革命の味方につけるかというテーマで展開した議論のようである。正しい議論は似てくるものだ。)

そこは大いに納得したのだが、次に、人口2000人当たり1人の総合医という目安を示し、人口1億2千万人の日本では6万人、医師総数を30万人とすると、医師の20%が総合医となることが必要だという試算をしている(3551p)のはどうだろうか。

当面はこれでいいのかもしれないが、人口1000人当たりの1カ月の新患外来受診を300人、一般病院新入院7人と見込む(3549p)と、これは中小病院と診療所を往復して、外来も診れば入院患者も担当するという僕たちのような総合医を想定すると、ほぼ1人分の仕事ではないだろうか。

だとすると、人口1000人当たり1人の総合医、日本全体では12万人、医師総数に比べて40%、もし医師がOECDなみに37万人いるとすれば33%というのが目標数ではないだろうか。

多くの総合医が、4割の医師が総合医であってほしいとおそらく感覚的に言っていたのと一致する。

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