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2012年8月 7日 (火)

韓国の人道主義実践医師協議会の若い医師たちとロールズ

8月4日、5日と韓国の人道主義実践医師協議会の若い医師たち8人と、原水爆禁止世界大会の広島で交流する機会があった。

5日の朝、交流会2日目の始まる前の短時間に東大の川本隆史氏と話している場面に彼らがそこを通りかかったので呼び止め、「日本のロールズ研究の第一人者だ」と紹介したが、ロールズが全く知られていない風だった。

そのあと、僕が「健康権、健康戦略、健康の社会的決定要因SDHと民医連」の報告をするなかで、代表的社会疫学者マイケル・マーモットやその哲学的支柱であるアマルティア・センの写真を投影すると、その名前が、説明前に口ぐちに発せられた。若干、日本での発音と違うのは当然である。ということは、このテーマは日本、少なくとも民医連以上にはよく知られているのである。

ただ大韓民国憲法の健康権規定は誰も意識していないようで、憲法前文の平和的生存権、13条の社会的生命権、25条の生存権をセットにして「憲法いのち」と思っている僕たちとは考えの枠組みがかなり違うことが感じられた。

さて、アマルティア・センがそれほど知られているのに、その盟友あるいは先行者たるロールズが知られていないのはなおさらに不思議に思えることである。

さらに、翌日、川本氏から私信で教えられたことであるが

「韓国のドクターたちはロールズをご存じない模様でしたが、たぶんサンデルの名前なら知れ渡っていると思います。」

「『インパクション』185号(インパクト出版会、2012年6月)に掲載された崔眞碩(チェ・ジンソク)さんの論文「サンデルから「ナコムス」まで――李明博時代、韓国の進歩的言説空間の変化)によると、日本と同時期(2010年5月)に翻訳が上梓されたマイケル・サンデルの『正義』(原著2009年)およびハーヴァード大学講義のテレビ映像が、同国で「サンデル・シンドローム」(!)とも呼ばれる空前のブームを巻き起こしたのだそうです。

効率性重視の李明博政権下の人びとが正義に飢え渇いていたところに生じたものだとか。」(太字は僕による)

ということである。

しかし、サンデルこそロールズを右のコミュニタリアニズムの立場で批判することによって名を成した人物なので、サンデルを読むならロールズを知っていて当然なのではないか?

正義を求める気風がサンデルに掬いとられて皮相なところで終わらないことが望ましいし、ここにも私たちの交流の継続の必要性があるのだろう。

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