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2012年8月13日 (月)

お盆の日直

1976年に医師になり、救急医療だけを売り物に医療の無法・無政府地帯で急成長しようとしていた北九州の病院に就職して、兵隊になった。1978年には山口県に帰ってきて、82年に50床の小さな救急告示病院を作った。そのころから今日まで、数えないくらいたった一人で全病院に責任を持つ日直、当直勤務をしてきた。

そういう勤務には恐怖がつきまとうものだ。最初のころは自分の知識と技術の不足が患者を殺してしまうのではないかと怖かった。病院から見下ろす夜の街が猛獣が潜むジャングルに見えた。

最近はその種の恐怖はない。160床になった病院の設備はそれなりに充実し、同じ一人医師体制といっても、開業医さんが一人で患者が向かい合うのとは全く違う。ある意味、フルメタルジャケット状態である。それを背景に診断さえつけてしまえば、より高度の医療機関に転送するコツもつかんでいる。

もちろん、猛烈な消化管出血を前に自分の手持ちの技術が全く効果がなく、もはや転送もできないという絶望的な状況に陥ることもあるが、それは稀な出来事だ。

今の恐怖は、むしろ患者の精神状態にある。最初から意味不明の怒りに支配された患者や家族と一人で対峙するときには、表情や声だけを平静に保つのに精いっぱいだ。しかし、最終的に警察に頼らなくてはならないケースは対処不能の消化管出血よりは少ない。

したがって、年々、静かな日直の時間を過ごしているということにはなる。

今日も日直だったが、そんな日だった。

「細かいことは色々あったが、申し送るべきほどのことはない。(大半は解決ずみである)」と日当直日誌に一行書き込めば終わる。

初盆だが、それらしいことは何もせず、遺されたCDを聞いているだけの一日だった。

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