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2012年7月13日 (金)

HPHだけではなくHPS「健康増進学校」というのもある・・・子どもの自殺の解決方法として

医者になってこのかた、僕は校医という仕事からずっと外されてきた。やってみたいと思っていたのにである。

それはもっぱら医師会との関係による。

30年位前に、ある高齢の校医さんが入院したというので、数ヶ月だけ臨時に近くの学校の校医業務を頼まれたことがある。

その頃は抜群に耳が良かったので、子どもが騒ぎまくる体育館での診察で、ちゃんとかすかな心房中隔欠損の心雑音に気づいた。その子はそのあとの夏休みに心臓手術したので、養護教諭が逐一報告してほめてくれた。

(ほめられたことは何十年たっても忘れない。

僕をほめることは大事だ、と自信を持って周囲に言おう。)

ツベルクリン検査をして皮内に「お豆さん」をきれいに作って行ったら、養護教諭が「ツベルクリン検査ってそんな風にするのですか」と驚いたので、逆にこちらが驚いた。

皮下に注射したら仕事は早く終わるけど、それは検査ではないよ。

これまでどんな風にしてきたか疑問に思ったが、ツ反陽性者が相当数出て、これまでの陰性ばかりの結果と照らし合わせて解釈に苦しまなくてはならなくなった。

それでも、高齢の医師が復帰すると依頼は終わった。その医師が亡くなった後の後任も頼まれなかった。

いやいや、そんなことはどうでもよい。

かっての高齢医師の悪口を言うと、自分の身に降りかかる年齢に僕もなった。

この記事で、僕が何が言いたいかと言うと、総合医療の勉強をするなかで、偶然に「校医の業務」と言う箇所を読んでいたら、WHOが1990年にHPS; Health Promoting Schoolというものを提唱していたことを知って驚いたということである。

学校側から健康の方針を地域に打ち出し、児童生徒も職員も地域住民も健康にするという戦略を持つ学校のことである。

民医連がHPH;Health Promoting Hospitalに注目する20年前の話である。

このことが大切だと思うのは、子どもや職員の健康が悪化し、いじめや自殺も後を絶たぬなかで、それを改善しようとすれば、学校は地域と連携するほかはないからである。

一例をあげれば、一人親のもとで育つ子供の不健康さの改善に学校が介入しようとすれば、その一人親の生活や雇用の不良さも学校は視野に入れ、学校の持つ力を地域に提供することで役立つよう真剣に考えないといけない。

貧しくて学力の不足する子どものために特別の援助プログラムを作ると言うだけでなく、学力がなくて親としての責務や仕事が果たせない親への直接的援助は、実は学校教育のアフター・ケアではないのか?

もちろん、それが出来る学校になるためには地域の政治の姿勢が決定的である。それも地域の住民の力によることだろう。

HPHやHPSだけでなく、企業もHPC;Health Promoting Corporation(あるいはCompany)

になればいいだろう。

さらにHPG;Health Promoting Government(自治体、政府)等と言うと、「治療病院」、「教育学校」、「食事レストラン」、「排泄トイレ」と言うに等しく、頭が混乱してくるのだが。

それはさておき、HP連合というものは可能だし、それこそが地域づくり、生活づくりなのだ。

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