松山善三の訳詞で太田真季が歌う「百万本のバラ」
iTune で音楽を購入する方法をようやく覚えたので、いつの間にかなくしてしまったCDをいくつか改めてダウンロードした。
普通「百万本のバラ」は加藤登紀子の訳詞で聞くが、松山善三さんの訳もある。歌っているのは太田真季という人。
加藤訳詞と松山訳詞は微妙に違う。というか、二人の本質的な違いが現れているのかもかもしれない。
貧しい絵描きがバラを買うのは同じだが、それを贈られるのは、加藤訳詞では華やかな女優、松山訳詞では町から町へと流れる貧しい踊り子と全く違う。
女優は絵描きのことをすぐに忘れるが、踊り子は夜汽車の窓から空を見ながら、その不幸な人生の中に一つの光を見出す。
松山善三さんが監督した映画「名もなく貧しく美しく」1961は小学生のころ、村の公民館で見た。聴覚障害がある夫婦が、障害ゆえに泣き声に気付かず、囲炉裏の中に落ちた子どもの命を失う場面だけを覚えている。
周囲の大人たちがなぜ泣いているのかはまだよく理解できなかったが、あの映画も僕の人生の始まりの一つだった。
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