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2012年5月16日 (水)

嘱託産業医として心がけていること・・・Fish!哲学の導入などでなく本当に大切なこと

午前と午後の外来診療の間の短い時間に、いつもなら病棟の回診をするのだが、今日は後期研修医と一緒に、嘱託産業医をしている水産物加工工場の巡視に出かけた。

もう熱中症が警戒される季節なので、今日は熱中症度計ともいうべきWBGT計を持参して、工場内のあちこちの作業場の記録を取った。今は、穴子の蒲焼の時期で、焼き場は炎が上がっている。それでも、まだ特に危険域というところはない。

そのように物理的環境に気を配るのは当然だが、職場の健康を決めるのはそういうものではもはやないだろう。

職場の健康を決定するのは、雇用の安定、作業の自己裁量度、周囲の援助などである。これを職場の健康の原因、健康因と呼んでおこう。

Fish!哲学と称してもてはやされている、従業員同士の気づかいを可視化し、おたがい褒め合うという試みがある。しかし、雇用側の価値観の押しつけに終わって、ソフトな成果主義になっていることが多く、上記の健康因を阻害しむしろ職場の健康を悪化させるだろうことが推測される。

そこで、最近は職場巡視の中で、職場の雰囲気、働きやすいかどうか、従業員同士の人間関係の観察に重点を置いている。

ただ短い職場巡視の中では、そんなことを観察するのは容易ではない。Fish!導入云々以前の状態で、みなさん黙々と作業しているだけである。

病院のように人間を相手にする仕事ではないので、基本的には私語は禁止されている。コミュニケーションはなくても安全に作業できることがむしろ工夫されている。おそらく、日本の中小企業の多くではこのように、わが身に置き換えると耐えられないような索莫とした労働風景が広がっているのだろう。

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