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2012年4月27日 (金)

社会主義の誕生

いま、世界のどこかの街を、未来のマルクスが誰にも気づかれず歩いていると想像するくらい、僕の気持ちを慰めることはない。

ところで、エレン・メイクシンズ・ウッド「資本主義の起源」こぶし書房を読んで僕は以下のようなことを書きつけている。

資本主義は、イタリアルネサンスやフランスブルジョワ革命とは無関係に、17世紀のイングランドの片隅に生まれた農民の特殊な階級分裂から始まっている。それはある意味、偶然に支配された一回きりの現象だった

そしてそれを支配した資本主義的な競争と利潤蓄積という原理が、それ以前の社会形態(ルネサンス後のイタリア、革命後のフランスなど)のすべてを自らのうちに組み込み従属させていったのである。

だとすると、本当の社会主義も、これまで社会主義と関係があると思われた諸運動とは無関係に、偶然に支配された一回きりの現象として生じる可能性があるのではないか。未来のマルクスはそれを準備している。

それはいったん生じると、世界を覆う現象として広がり、そのあとで、僕らは本当の社会主義と、いま目の前に見ている前社会主義運動との関連を後知恵として理解するのではないか。

エレン・メイクシンズ・ウッドが、人間の顔をした市場の追求はおそらく無駄に終わる、そういう段階論に陥らず、むしろただちに社会主義を目指した方がよいというとき、彼女もまた、その社会主義が何なのかを見いだせずにいるのかもしれない。

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