トマス・ヴィンターベア監督映画 、邦題「光の方へ」原題「Submarino」デンマーク、2010
深夜にDVDで見た。サブマリーノという原題は「潜水艦」なのだろうが、頭を水の中に押し付けられる拷問の隠語らしい。社会からそういう目に会っている人たちの話ということである。
アルコール依存の母と3人兄弟がいて、その末弟は母親からネグレクトされており、長男・次男が必死に育てようとするがついに死んでしまうという場面から映画は始まる。
それから10年以上経て、アルコール依存で衝動的に暴力をふるうようになる長男、麻薬依存で売人にもなる次男とその子ども、それぞれの不幸が描かれる。
社会保障は行き届いていて行政の落ち度があるように描かれてはいない。しかし、ひたすら不幸になっていく人たちが救われない有様の描写が続く。
多くの人の死の後に残された長男と次男の息子の二人が自然に心をつないでいく場面で終わるのが救いである。
この映画がデンマークの実態を写し取っているなら、僕たちには目標と見えている北欧福祉社会の行き詰まりは明らかである。この国にも激しい格差が生じ、少々進んだ社会保障も到底カバーできない裂け目ができている。
それは、障害者を抱えた二人暮らし世帯が社会的に孤立し、世話をしている健常者側の急死に遅れて障害者が餓死しているのが次々発見される日本とぴったり重なっていくものである。
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