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2011年12月17日 (土)

病院を選ばなくてはならない住民ほど不幸なものはない

2009年5月に、金子勝「閉塞経済-金融資本主義のゆくえ」ちくま新書2008を読んで、下のようなことを書いていた。

「5月14日から16日まで出張していた。今回は、旧友に久しぶりに会って、シンガポールでの社会保障個人会計の実態と思える話を聞いたりして有益だった。上記は16日、その帰りの飛行機のなかで読んだ本。2008年7月とリーマンショック以前の出版で、解説も落ち着いているが、現在の金融恐慌・世界同時大不況の理解には好適の本だと思える。競争を誘導するインセンティブ(利益誘導刺激)主体の政策が医療や介護をどれだけゆがめるかについて力説していて好感が持てる。このインセンティブに乗って、[住民から選ばれる病院になろう]などという合言葉がいろんな病院で叫ばれているが、そんなことをいっている病院はもう一度よく考え直さないといけない。
病院を選ばなくてはならない住民くらい不幸なものはないのではないか。何の考えもなく受診した近くの病院で最高の医療が当然のように提供される、これが私たちの求めている姿である。
個々の病院が経済的に最適な状態を求めていくと、社会全体ではとんでもない医療を実現してしまう。それについても、この本は[パレート最適]を引用して分かりやすく説明している。」

こんなことを書くのは、今日もその旧友にあって、最近のやや元気をなくしたシンガポールの話をきいたりしたことに由来している。

しかし2年前に書いたことを改めて読み直すと、僕の周囲で最近になって再び地域分析に基づく病院のポジショニングが強調され始めたことへの僕の感想とも響き合う気がする。

TPP加入は医療界に公的医療費削減、混合診療拡大必至の雰囲気を強くしている。主観的には、住民野求めていることを見つけたい、住民に役立つ病院するためにそれを見つけたいという思いであっても、

地域を分析してまず読み取るべきは地域を浸しているより普遍的な「時代」なのであり、自らの存在価値を高める個別的なテーマの発見はその次なのではないか、というのが僕が考えていることだからである。

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