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2011年12月 7日 (水)

高齢者医療の課題・・・地域連携コーディネーターなしにやってはいけない・・・地域連携の意味も変わってくる

高齢者の健康に関して最も問題となるのは、癌と認知症なのではないだろうか。

それを裏付ける統計が手元にないので本当は何も言えないのではあるが、それは後で確認することにしよう。

健康を論じる前に、より根本的な問題として貧困や孤独があることは十分承知しながら、医療機関としては高齢者の癌と認知症の対策を持たなければならない。

診療所あるいは内科の中小病院という条件で考えてみよう。

とりあえず自分の努力だけでできることから始める。

癌については五つの大きな癌(肺癌、胃癌、肝癌、大腸癌および乳癌)の早期発見活動の拡大と質の向上である。それぞれにある制度的検診をできるだけ多数の人に提供する仕方を考えないといけないし、診断レベルの点検も大切である。癌の見落としでトラブルになったことがあれば診断レベルに問題ありと考えた方がよい。日常的にチェックし指導してくれる人を外部に見つけることが必要になる。

認知症については脳血管性の認知症の原因となる糖尿病や高血圧の治療レベルを向上させることは不断に心がけなければならない。

そのうえで、次に立てる対策は癌と認知症のケア全体の中で自分が引き受けるべき役割を見つけることである。この段階では地域連携がどうなっているかを知らなくては話が始まらない。

先進的な癌診療を行う「がん診療連携拠点病院」が、たとえば山口県では7か所指定されている。そのうち最寄りの拠点病院とどう連携を持つかがひとつの課題である。

中小病院であれば化学療法を任されるということがあるだろうか。あるとすれば、それなりの準備をしなくてはいけない。

それがなければ、在宅医療の緩和ケアを担うということになるが、拠点病院の緩和ケアチームと密接な協力体制を作らなければやっていけないだろう。それはどうしたら可能になるのか。

認知症はどうだろうか。中小病院なら、認知症の周辺症状BPSDへの入院治療による適切な対処が求められる。診療所ではBPSDというより日常的な全身健康管理の方に重点がある。ここでは診療所と中小病院間のスムーズな往復が必要となる。

なんとも平凡なことを考え続けているのだが、結局は、患者ひとりひとりに焦点をあてて地域で普通の生活が送れるようになるため援助するコーディネーターを大量に育成するしかなさそうである。

地域連携コーディネーターは今や普遍的な存在である。

学校にも、商店にも、工場にも、役所にもいる。社会的な活動がすべて結びついている、結びつきの在り方は、それぞれの固有な活動と同じくらい重要だということをみんなが気付き始めているのである。

医療の地域連携は、すでにその他の産業に遅れている。医療で地域連携というと医療機関同士の連携というに終わっているが、その他の産業では、産業と地域そのものの連携を意味しているからである。

医療連携も医療機関と地域が連携して街づくりをするという意味に変わっていく必要がある。

従来の医療機関同士の連携は「医療の自治と自律」という呼び名に変えた方がよい。

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