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2011年12月12日 (月)

日本公衆衛生学会の快挙・・・「公衆衛生モニタリングレポート」に注目

日本公衆衛生学会はその学会誌の主要記事を無料でネット上に公開している。

http://www.jsph.jp/member/library/

その中でこれだけはぜひ読んでおくべきシリーズだというものが二つある。

ひとつは原田規章という人が委員長になってやっている「公衆衛生モニタリング・レポート」である。

2011年10号には第8回として「非正規雇用の健康影響」が掲載されている。非正規雇用の労働者は正規雇用の労働者より健康状態が悪く、またそういう状態の人たちが一方に存在することによって正規雇用の労働者の健康状態も悪化していることがよくわかるように説明されている。すなわち、日本の労働者の健康状態は、雇用の不安定化により総体的に悪化しているのである。

もうひとつは、近藤克則氏が中心になっている「連載 健康の社会的決定要因」である。これは2011年7月に15回におよぶ連載が終わっているが、いずれの号もコンパクトによくまとめられたものだった。

働く者、健康を奪われ苦しんでいる者のために役立つ資料をこれほど簡単に閲覧できるように工夫している公衆衛生学会こそ、学問の社会的使命を果たしている学会といっていいだろう。

連載が終わった「健康の社会的決定要因」は仕方ないが、「モニタリング・レポート」はさらに充実したものを続けて掲載してほしい。原田という人にはぜひ頑張ってもらいたいものである。

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