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2011年12月27日 (火)

「欧米では臨床医の30~40%は総合医である。専門医と総合意の役割分担が明確化されている地域はそうでない地域に比べて健康指標が良く、医療費も効率的に使われている。」・・・雑誌「月刊地域医学」地域医療振興協会2011年9月号を読む

地域医療振興協会から無料で配布されているが、内実は自治医大出身者の親睦雑誌みたいなので医局では誰も読まないのだが、僕だけは丁寧にその内容を追っている。巻頭のインタビューにはいつも学ばされることが多い。

9月号は大分県立病院で活躍してきた竹田津文俊医師に山田隆司医師がインタビューしている。以下、○は印象的なところを僕流に書き変えたもの。*は引用抜きの僕の感想。

○現場の看護師に求めたいことは知識や技術よりもまず態度。患者さんに接する態度の優しさ。

最近、認定看護師制度、特定看護師制度などと言って、知識や技能を優先する風潮があるが、それはだめだ。

○学校では出来が良くないと思われている学生が地域実習に行ったら、患者だけでなく、家族のことも考えて本当に良くやっているということがしばしばある。

ある自治体では、新入職員の中で成績が良いものはまず福祉の部局に配置するようにしている。そうするといろんな生活があることがまず理解される。

*それは成績がいい学生は恵まれた階層出身者が多く、困難を抱えた人たちを理解する力が特に乏しいことを考慮しているからだろう。

*入社時の成績がいい新入職員はダメ職員の最有力候補ということは我々も常に実感していることである。

自治医大出身者は9年間もへき地に行くので、田舎者になったようで劣等感があった。しかし地域医療振興協会で働き続ければ海外へ留学できるという制度ができてその劣等感も吹き飛んだ。

*先日も、自治医大の教授が、「自治医大の卒業生は語学に劣るが、ダブルバルーン小腸内視鏡を開発した田中医師は、9年間の途中1年間米国で臨床修練したのでその心配がなかった、それが彼の成功にもつながっている」 と話したのを聞いた。そうか、自治医大の人はそんなことで悩んでいたのか。

これを馬鹿らしいと思わず、民医連も海外留学を後期研修に制度化したらいいのだ。僕が考えているのはキューバである。(それで劣等感が吹き飛ぶかどうかは心もとない)

先日、キューバから来た同国の保健省の医師にこのアイデアを話したら

「日本のような先進国の医学教育を受けた青年医師はとうていキューバの内陸部の診療所での生活に耐えられないだろう。そもそも医療に関するコンセプトが日本とキューバでは大違いだ。

どうせなら、今キューバの医師が支援している南太平洋の島々に一緒にいったらどうか」

と言っていた。南太平洋でゴーギャンみたいな生活をするのなら僕が行きたい。

しかし、僕のプランは、

「貧しくても平等なキューバ社会では人々が健康に暮らしている」

ことを体感することだから、南太平洋ではだめだ。

それでは青年海外協力隊のようになってしまう。

ところで、この保健省の医師が話していた時、同席した一見チャーミングな若い大使館一等書記官(女性)がしっかりと彼の発言をチェックしていたように思えたのは、僕のかすかな偏見だろうか。

そのほか参考になる記述

尾身 茂氏「これからの医療に求められる変化」

14ページ 「欧米では臨床医の30~40%は総合医である。専門医と総合意の役割分担が明確化されている地域はそうでない地域に比べて健康指標が良く、医療費も効率的に使われている。」

16ページ「専門医と総合医の医師数をある程度決める必要がある。資格修得のための研修施設の地理的分布も決めなくてはならない。

櫃本真津氏「医療を生活資源に -病院が変わる、公衆衛生が変えるー」

22ページ 急性期病院を地域資源に

23ページ  健康づくりはまちづくり 医療は地域の資源 医療は住民が育てるもの

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