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2011年11月29日 (火)

腹痛に沈む

34年前の研修医2年目のころ、指導医もなく一人きりで担当する当直が月10回以上あり、一晩で多い時には100人以上の患者、10数台の救急車を引き受けていた。

そういう時は高台にあった病院の5階の医局から見下ろす街が、猛獣が潜むジャングルに見えて、恐怖感がひとりでに湧いてくるのだった。

そんなある日、当直を始めて3時間くらいで猛烈な腹痛に襲われ、どうにも我慢がならなくなった。同僚に無理を言って交代してもらい帰宅しようとしたとき、1年上の先輩が自分にもそんな経験があるが、そういう時はソセゴンという麻薬類似の鎮痛剤を注射して寝るとよいと助言してくれた。ただ自分は効きすぎて階段が降りれなくなってしまったが、と言っていた。

ソセゴンを注射したあと3時間くらいは全く無痛の時がやってきて、当直を交代してもらったことが申し訳なく思えるくらいだった。しかし間もなく同じような腹痛がやってきて朝まで七転八倒しながら眠った。それでも起床時には治って、普通に出勤した。3時間くらいしか効かないことがわかったので、ソセゴン依存症になることは免れた。

その先輩は、その後も猛烈に働き50歳位でくも膜下出血を生じてなくなった。

僕のほうはまもなく診療所に移り、しばらくは救急医療と縁が切れた。その後別の地方で自力で救急告示病院を立ち上げたが、最初の病院のような野戦病院状態の再現はなく、幸いそういう腹痛に襲われることもなく経過して60歳を目前にしている。

しかし、昨日のこと、土曜日、日曜日は出張で、月曜日は比較的ハードな検査や外来をこなし、7時過ぎに急いで家に帰って家族の夕ご飯の心配もしていたら、34年前をほうふつとさせる腹痛に襲われた。

何も手がつかなくなって、結局深夜になってソセゴンに頼った。すると、航空機事故にまつわる悪夢が一晩中続いた後、起床時には腹痛は消えていた。

ストレスで、腸管全体が攣縮(れんしゅく)していたのだろう。

そこで今日はなるべくひっそりしていることを心がけたが、、午後の一般外来はそれなりに厄介な症例が多く、それらの片が概ねついた今も立ち上がる気力が生まれず、駄文を書いているのである。

ところで、誰かが僕のブログのうち「アリランの歌」に関する部分を韓国語訳して下さっていたことを発見した。その意図は不明だが、ありがたく感じた。

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