NHK白熱教室 小笠原 泰 ー参加か帰属かーという問題に始まって、まったく無関係な話
60歳を目前にするとアイデンティティも揺らぐのは当然かもしれない。10月15日深夜のNHK白熱教室 小笠原 泰という人の講義「就職か就社か」を見ていると色々考えることが多かった。就職は参加であり、就社は帰属であるという切り口。僕は信念としては揺らぐことのないコミュニストである。剰余価値の飽くなき拡大と搾取を無くし、人間が他人から支配される労働という苦役から解放される社会をめざすコミュニストというアイデンティティは強固なものであり、それはそういう名前の企業に「就社」したようなもので、帰属意識も強いが、それだけでは何かをなしたということにはならない。コミュニストであることはあまりに漠然とし、今何をなすべきかということにはつながらない。それは◯◯商事に入社したものの扱う商品をあたえられていない社員に等しい。そこで共産主義政党の綱領や定期的に開かれる大会の決定があるのだろうが、実生活からやはり遠い気がする。もっと近くに、手の届く範囲で自分が「参加」しているという実感のある目標やそのための組織がほしい。それが民医連なのだろう、まさにそこにこそ「就職」しているのだろうということなのかもしれないが、僕の今の実感では、民医連では狭すぎるのである。実は民医連の綱領自体が、医療機関の連合という枠を超えてしまっている。その綱領の立場から考えても、ありきたりにいう民医連医師というアイデンティティでは自分を正確に捉えきれない。コミュニストより小さく、通常のイメージの民医連医師というより大きな新たなアイデンティティが自分には必要なのだ。こう書いていくと、なんだか取り止めもない贅沢なことを呟いているだけという気もして来るのだが、今の閉塞感を打ち破って行くには、この中間的なアイデンティティの必要性を認めなければならない。当面、考えついたのは「新しい福祉国家」をめざす統一戦線組織である。そういう限定された目的の組織に参加し、首尾よく成し遂げたときさっさと解散することを夢見ているのである。
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