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2011年10月 8日 (土)

本間義人「居住の貧困」岩波新書2009年 ノート・・・不全感いっぱいの読了

このような薄い本でも一気に読むことができなくなっているので、読みながら感じたことを少しづつ記しておきたい。今後はこの形式でしか読書記録が作れなくなりそうだ。青字が僕の感想である。

51-52ページ:要約:公共賃貸住宅入居にあたって母子家庭、高齢者、障がい者が優先されているのは、福祉政策の後退によって本来の福祉施設建設が怠られていることを補完するものに他ならず、「団地の福祉施設化」と呼ばれる。その結果、団地のコミュニティ維持が困難となっている。

母子家庭、高齢者、障がい者うを施設に集めるというのはどうなのだろうか。団地に福祉要求を持っている人が多く居住するのは決して悪いことではないのではないか。政策転換して公共賃貸住宅を拡大していくことさえできれば、コミュニティ自体を福祉化する、すなわち安心してすみ続けられる団地にしていけるのではないか。展望はこちらにある。

54ページ :都市再生機構(=UR)団地の調べでも、単身者孤独死が5,6年で倍に増えている。著者の意見によると、団地住宅の狭さー家族の分散-団地住民の高齢化・貧困化・罹患率上昇-孤独死の増加という因果関係がある。

⇒大都市では家族の分散は住宅の狭さによる、といえるのかもしれない。これは僕の気付かないことだった。地方では、いくら住宅が大きくても若年層の就職先がないので家族は分散させられていったので、家族の分散は資本主義の広がりによると単純に考えていたのだが。

望ましいもの184ページ 住宅調査、187ページ 住宅監督制度(1919!関 一 大阪市長)、190ぺージ 幻の「厚生住宅法」 ・・・水準以下の住宅に対しては速やかに行政が介入して改善する。家賃は支払い能力に応じたものとする 196ページ 地域住宅計画と地域福祉計画の連携

結論としての今後の展望:

214ページ  しばらくは厚生労働省と国土交通省が連携して、公共住宅団地内に介護拠点、介護老人保健施設、保育施設、授産施設、診療所などを併設して、居住と福祉が一体化した地域を構築する。これを可能にすれば、高齢単身者になっても、またやむなく職を失うことになっても、住むことに対する安心・安全だけは保証できる。

これは市場原理のもとで利潤を追求するのが第一の民間資本ではできないといってよい。

⇒努力してみたが、結局この本は十分読み込めなかった。きわめて重要なことを扱いながら、この読みにくさはどうなのだろう。ジャーナリストに書き直しを依頼するのも一法ではないだろうか。

あるいは、問題は書き手の側でなく、「住宅問題はその価格や住民の自己責任意識の深さからしてハードルが高すぎて、改善する道は見えないものだ」と最初から思い込んでいる読み手の側に原因があるのかもしれない。

住宅監督官がつぶさに地域を回り、どんどん不良住宅の改善を実現していくということが本当に可能になったらどんなにいいことだろうかと思うが、その前に持ち家制度で意識をがんじがらめにされた地域住民中上層との軋轢が激しく起こるだろう。

住宅問題の切実さと同時に、それを問題として取り上げていくことの難しさを実感させられた一冊だった。

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コメント

URの住宅と公営住宅の障害者や高齢者、母子家庭などの優先住宅を同じには論じられないと思うのですが・・・
いずれにしても、狭い・・
民間のアパートも狭いし、我が家も狭いです。

投稿: Lisa | 2011年10月 8日 (土) 12時05分

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