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2011年9月27日 (火)

夏目漱石「こころ」1914

iPADを使って「青空文庫」が電子ブック形式で読めるようになったので、すぐ目に付いた「こころ」を読み始めた。14歳の時以来なので実に45年ぶりである。

「こころ」は8人の死の物語である。おそらくそのために私はこれを読み始めてとまらなかったのである。

死ぬのは現実世界の明治天皇、乃木将軍、小説世界の語り手の父(死亡の直前だが)、「先生」の両親と妻の母、友人k、最後に「先生」自身である。

気づいたことだけメモ。

語り手の父が死ぬ前に、大学の卒業なんて当たり前のことで祝ってもらいたくないという語り手に対して「卒業が結構なのはお前のためではない、死ぬ前にお前の卒業を喜べた自分のために結構だ、と言っているのだ」という場面がある。親はいつもそのように悲しくできている。

小説が発表されたのは1914年だが、物語の舞台は明治天皇が死ぬ1912年である。このころは東京帝国大学を卒業しても、ひどい就職難に合わなければならなかった。

語り手と「先生」の間にあるのは正確なところ同性愛である。同性愛で練習して異性に向かうという奇妙な段階論が述べられているのが面白い。

物語はこれからどうなるのだろう。臨死の父を置いて上京する語り手と先生の奥さんはどのように会うのだろう。考えてみれば奥さんだけが「静(しず)」という実名を与えられている(上「先生と私」9)。

「こころ」の続編があるとすれば死からの再生の物語しかありえないが、あと2年の死までの間漱石はどの作品でそれを試そうとしたのだろうか。

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