篠田道子さんの講演を聞いた:フランスの医療費無料制度は長期にわたり費用が高額なものを対象としている
2011年8月28日篠田道子さんの1時間だけの短い講演を聞いた。27日に短時間ながら直接話した。シャープな感じの人である。
日本福祉大学教授で、近藤克則氏たちと「高齢者の終末期ケア―ケアの質を高める4条件とケアマネジメント・ツール」中央法規出版を書いた人だ。この本についてはこのブログでも触れたことがある。
「フランスにおける医療・介護ケアシステムの動向―在宅入院制度による集中的ケアマネジメントを中心に―」
をネットにアップしていてこれも参考になる。
講演の中で印象に残ったことのメモ:
*これからくる超高齢社会は生半可なものではない。3回以上繰り返した。
結局これが最も重要なメッセージだったのだ。
*「『懐が深い』というのは、意見がぶれないことだと辞書に書いてある」・・・これは違和感があったのだが、考えてみると、最初に与えた支持あるいは指示を最後まで変えないでいてくれる、ということで、正しいのだろう。懐が深い人はこちらに対する態度をころころ変えないのは確かである。
*チームの中で、あまりきちんと役割分担すると、チームがフラットでなくなる。
フラットさは、役割の重なりの中で生まれてくる。・・・これは至言である。
*フランスの医療費無料制度は、難病や障害者(これは県単位)を対象としている日本と違って、長期にわたり費用が高額なものを対象としている。もちろん難病も含まれる。・・・これはフランスのみならずヨーロッパ全体に当てはまることのようだ。http://09944802.at.webry.info/201004/article_4.htmlや
も参考になる。いま、私たちは、患者の負担がきわめて大きい癌、糖尿病、リウマチ、慢性神経疾患の外来医療費を無料にしろという運動を始めようとしているが、フランスやヨーロッパではとっくに始めているのだ。
*当たり前の結論しか出てこない調査でも、そのプロセスの中で得られるものが多い。
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