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2011年8月 9日 (火)

日本母親大会(広島7/29-7/30)「医療制度分科会」での私の発言

上記集会は、広島では初めて行われた大会となったが、参加者8500人と言う大規模なものだった。

私は医療制度の分科会で助言者を勤めたが、同じ時刻に、別の分科会では吉永小百合さんの原爆詩朗読などがあった。

以下は分科会での私の発言記録。 

 
(助言者問題提起)
 手遅れ受診を生む理由の一つに高すぎる国保保険料がありますが、最近の特徴としては、保険料未納というよりも、もっと幅広く、窓口での自己負担が重すぎて受診できない人が全国で増えています。

そのため、受診抑制に対し窓口負担の軽減の運動が各地で行われています。①国保法44条の活用は大阪と広島で特徴的です。②無料低額診療事業が民医連を中心に急速に広がっています。③公立病院の設置条例に無料低額と同じような内容の条項があるので活用することも考えて下さい。

 子どもの受診抑制は正義の基本である機会均等の原則に反する最たるものです。子どもの無保険は、私たちの運動によってなくなりましたが、窓口負担による受診抑制は強く残っています。大半の県で何らかの子どもの窓口負担の軽減を行っていますが、最低中学生までは無料にできるよう運動していく必要があります。

 
後期高齢者医療制度は2008年から施行されていますが、ご存じのように75歳以上をひと括りにして国民から隔離し、スタート時点の高齢者保険料の10倍を限度にした総額に全医療費に押し込めようという制度でした。総額が比例して増えるのは高齢者の人口に対してだけです。

*もし医療の進歩が反映して、実際の医療費が予定の総額を超えた場合は、どこからも援助なく、高齢者自身の保険料をさらに上げるか、窓口負担を増やすか、あるいは超えてしまった部分は保険から外して自己負担にするかで、高齢者自身に始末をつけさせます。これは結局、高齢者は今の医療水準で将来ずっと我慢しろ、新しい医療は、それが医療費を安くするのでなければ、高齢者には使わせないということでした。

ここまで話すと、怒らない高齢者はいなくなりました。




 日本の医師不足は世界的に知られています。医学部の定員が約30年ぶりに増えましたが、地方から見ると、都会の青年が地方に来て医師免許だけを取って帰っていくというまるで合宿制の自動車学校のような状態になっています。これをなくすには高度急性期病院で専門医として働くことだけに意味があるという価値観を、地方の中小病院や診療所で働いて患者さんのそばで患者さんの生活を支えるのが医者の生きがいだという価値観に変えることが必要です。

 看護師不足も深刻です。看護師2万人が長時間労働で過労死の危険にさらされていると言われています(『看護崩壊』より)。2025年の超高齢社会では200万人の看護師が必要と言われているなかで現在130万人しかいない。そこで現在の看護師の仕事を看護師以外の無資格者に渡し、医師の替わりを看護師、特に特定看護師というエリート看護師にやらせる計画が進行中です。

(助言者まとめ)
 私は、健康にとっては医療制度も大事だが、それよりも社会のありかたそのものが人々の健康に影響を与えて、大規模な健康破壊が起こすことの方がより大きな問題だと考えています。

 WHOの「ソリッド・ファクツ(確かな事実)」が代表する社会疫学では、社会的不利が健康破壊の3分の2を直接起こし、残り3分の1が生活習慣を介して間接的に起こす、結局、健康の自己責任なんかないと証明しました。

 「ソリッド・ファクツ」は社会的要因8項目を挙げ、それぞれ実証→政策という順番で対処することが必要だと言っています。

 人間のよりよいQOLに目標を置いた総合的なケアを地域にどうつくっていくのかという立場で健康・医療問題を捉えなおしていく。それは「まちづくり」そのものです。その方向に向かって要求を見直し、運動を組織していくことが必要です。

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