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2010年10月25日 (月)

古市憲寿 『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』光文社新書2010

25歳の若い研究者の修士論文に手を加えた新書本につきあう暇は老体の僕には本当はないはずだが、中西新太郎講演について触れた義理で読む羽目になった。

若者の現象を論じたものとしては、抜群に、といっていいほど面白い。

ピースボートについては、民医連も最近ピースボートを使ってキューバに要らなくなった内視鏡を送った。そのさい「要らなくなったものを送ります」というのはあんまりではないか、という意見も出て「いろんな病院から集めて送ります」と書き直して送ったらしい。

それはともかく、そのように僕たちもピースボートのお世話にはなっているので、この際ピースボートがどういうものかわかったのも良かった。

要するにスラム化した世界一周客船というわけである。そんな船がいくら世界を回っても世界は変わらないということは最初からわかりきっているのだが、無意味な希望に取りつかれた青年をあきらめさせるツールになっているという指摘は貴重だ。

正直なところ僕に若者が分かるとはおもえないが、「分からない」で済ませて彼らの無念さを放置するのはあまりに無残な気がする。

「民医連新聞」や「民医連医療」には、民医連の意義に目覚めた青年職員像や、職員と協力して病気を克服していく青年患者像がときどき登場する。そういう「いい話」でなく、もっとリアルな、場合によってはもっと突き放した目で見た青年医師像、青年職員像、青年患者像を追求してみる必要がある。

それはあまりにありふれて、いつもぼくたちを裏切り続けている人たちの姿だから直視されることが少ない。

僕たちが追っているのは、僕達の口説きに応じる様な、僕たちを二重写しした幻想の青年像なので、そろそろそういう夢から醒めて、現実に有効な世代間連帯を本気で探っていかなければならないのだが、そのためには上のような作業がいるのである。

場合によっては、古市君あたりを2年間民医連本部で雇って、各地の民医連を探検してもらうといいのではないか。

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