WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)計(いわゆる熱中症度計)を買ったこと、シーティングについて意見交換したこと
①猛暑が続く。古い市街地の密集したアパートに住む一人暮らし、二人暮らし世帯の老人はどう暮らしているのだろう。
医療生協の理事会では、たまたま立ち寄った家で一人暮らし老人が脱水で危険な状態になっているのを発見して危機を救った話が相次ぐ。これを偶然の話に終わらせないで、系統的に訪問して現状を把握しようという話になるのは当然である。
そこで、訪問の際に環境測定を少しでも客観的に行うためにWBGT計を医療生協で買った。ふつうは2万円以上するのだが、8000円のものを買った。
これでも十分役に立つのだろうが、颯爽と計器を取り出す格好にはならないかもなぁ。
②NHK-TVの「ミッション」という番組で、車椅子の正しい使い方としての「シーティング」の話を聞いて驚く。
車椅子は、一つの精密な義肢・装具として、オーダーメイドされ、適切な素材が用いられる必要がある。
昨年の山口民医連の活動交流集会では、若い理学療法士がやはりシーティングの話をしていて、障害者が一日を過ごす車椅子の使い方にはさまざまな工夫が必要だとは理解していたのだが、既製品購入が主流の今のままではだめなのかもしれないというのは、考えさせられる。
それを、ちょうどいま車椅子に乗って職場復帰しようとしている(リハビリも担当している)同僚医師に話したところ、あまり愉快には受け取られなかったようだ。
「当事者の負担が高すぎて、夢の世界のお話だ。
それよりも、精一杯ありあわせの材料を使って車いすの改造を続けているうちの病院のリハビリセラピストの努力に目を向けてほしい。
彼らの活動を支援するような法人枠の予算を考えてくれたらどうなんだ」
そうだ。そういう風にはお金を使ってこなかった。医師の外部技術研修はそこそこやってお金も使ってきたけれど、医師以外の現場の創造的な活動への経済的支援なんて、このレベルの医療生協には無縁なものと思っていた。
島根県太田市にある中村ブレイスという小さな会社のような「特色ある技術者集団」に私たちが生まれ変わるヒントを、車椅子での医師生活の始まりという、いわば一つの医師生命の危機にあるこの同僚医師が与えてくれたのかもしれない。
| 固定リンク
« 消費税のこと 医療費に0%税率を実施し、輸出企業への0%税率を廃止することから始めればよい | トップページ | 井上ひさし「一週間」新潮社2010・・・①レーニン像や天皇制論が変②主人公のモデルの一人は石原吉郎か? »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「かぞくのくに」(2016.05.16)
- 映画「百円の恋」(2016.05.12)
- 3・11のTVドラマ「わたしを離さないで」(2016.03.13)
- 2015「母と暮らせば」と1960「おとうと」の類似点(2016.03.08)
- ドラマ「わたしを離さないで」と現実の交差 憲法13条をめぐって(2016.02.20)
コメント