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2010年8月29日 (日)

8月29日の毎日新聞 池澤夏樹インタビュー

上記の記事で、もちろん、ある条件下においてではあるが、池澤夏樹さんは、沖縄県民が蜂起して米軍基地になだれ込むことを予想している。そのさい、米軍が銃撃で応えるのは当然である。その暴動や流血がなければ日本は変わらないかどうかは、一度考えてみるべきことである。

言うまでもなく、そんな暴動・流血以外の方法で日本を鮮やかに変えることを我々はめざすべきだし、暴動・流血を自己目的化するのは挑発に乗ること以外の何者でもない。しかし、暴動・流血は起こりうる。そのときどうするか。

ところで、鳩山前首相が普天間基地の県外移設を言った理由として、池澤夏樹は「強い意志がないまま、格好いいから『県外』と言っただけだろう」とする。

一方、最近その講演を聞いた政治学者 渡辺 治先生は「もし首相が鳩山でなく菅や岡田であれば、もっと早くに軽々と県内移設を決めていたはず。

鳩山が最後まで粘ったのは、2009年8月30日の総選挙の勝利が国民のどういう意思によっていたかを鳩山が最も深く捉えていたからだ」といった。

池澤さんと渡辺先生、正しいのはどちらだろう。

小沢をめぐるあれこれを見ていると、池澤さんのほうが正しいのではないかという気もする。

この毎日新聞の「余録」にもあるように「私の一存で小沢を民主党に引き入れた」「私を首相まで導いてもらった恩がある」という発言からは、本質的に新自由主義者でありながら民意を深く読み取って最後までそれにこだわった、という鳩山像は浮かんでこない。

さて、ほとんど信じられないことだが、毎日新聞の社会面では、小沢が代表選に勝ったら普天間の方針見直しもありうるという記事を載せている。

もしそれが本当に実行できたら、アメリカに対抗しうる軍事大国化と新自由主義的官僚の弾圧路線によって、不満をため込んだ広範な貧困層と地方から支持される国民的英雄に小沢がなるだろう。

その時は日本が再び世界の緊張と不安の焦点になる。

菅によってリベラリズムの仮面をつけたリバタリアニズムが進行するのも悪夢だが、21世紀初頭のヒトラーもどきもまた悪夢である。

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