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2010年3月12日 (金)

病院ー診療所連携、「地域連携室」の今後:医療の質と医師養成の主役としての医療連携 「地域医療ユニット」の提案

ほとんど全ての病院に、患者紹介の窓口として、言ってみれば病院間の連携における病院の顔として「地域連携室」が出来た。

これをきっかけに、地域連携室のメンバー同士が直接交流する会を持とうと思いついたのが、私の思いつきとしては珍しく幸運に実現して数年になる。

各病院の地域連携室は病院間の連携だけでなく、診療所と病院の連携にも当然責任を持っているが、地域連携室間に一体感が生まれるにつれて、診療所同士の連携の事務局にもなろうという気運が高まった。

地域連携室の連絡会がお世話をして、「医療連携」をテーマにした地区別の交流会には開業したばかりの若い医師が多く集まって自己アピールを展開した。

このように地域連携室の連絡会が先導役になって、地域連携の質が深まっていった。その中身は以下のようなものである。

①救急患者の受け入れの実態把握と改善提案。各救急病院の当直医の公開という小さな改善から始まって、開業医の有志が救急病院の当直に入るという試みに。

たいていの救急病院は一人当直なので、病院側の当直医が内科系なら開業医は外科系で、病院側の当直医が外科系なら開業医は内科系で、という組み合わせで2人当直が実現できる。こうすれば「専門が違うから」という理由での救急車受け入れ拒否は少なくなるはずである。

②連携が欠かせない課題での改善。特に急性期病院を退院した終末期の人の緩和ケアや、増悪時の協力のあり方。

③連携して初めて深まる医療の質の課題。1病院だけがいくら突出して高いレベルになっても地域全体が追いつかなければ意味のない医療安全や医療の倫理の問題。中々難しいが学習会を開こうということになっている。

しかし、こういう状況になったところで、私は自分の憂鬱さが軽くならないことに気付いた。

地域に若い医師が少なすぎるのだ。

大学に研修医を集めて、それがトリクル・ダウンして地域を潤すというのが、大学や県当局の発想らしいが、それも大学が今のように専門医志向で固まっていては無意味である。

医師の最低限半分は総合医でなくてはならないという見通しをしっかりたて、研修医の半分は大学外の、地域医療ユニット(大病院・中小病院・訪問診察をしている診療所・介護施設)で養成する、というのが今の私の構想である。

そのためには、ユニットに属する病院・施設が資金を出し合って、優秀な研修指導者をスカウトしてくる必要がある。出来るなら、家庭医療が発達している海外からでもよい。

そういう話を、昨日の医師会の集まりで話してみたところ、反響はこうだった。

「先生はいつもっ突飛なことばかり言い出しますね!!」

ぜんぜん突飛な事でははないのだけどなぁ。

そうやって、若い医師が地域にあふれ始めたとき、まちづくりの基礎の一つが固まるというものなのだ。

地方に人が帰ってくるという時代は、医師から始まると私は予言しておきたい。

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