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2010年3月10日 (水)

WHO 健康の社会的決定要因委員会最終報告 エグゼクティブ・サマリー 仮訳#5 終章・おわりに

終章

「健康格差を一世代のうちになくすことは可能なことだろうか?」

この質問 ―健康格差を一世代のうちになくすことは可能なことだろうか?― には二つの明確な答えがある。

もし私たちが今までと同じならば、そこにはチャンスはまったくない。

もし、変化したいという純粋な願いがあるのであれば、どこで生まれるかという偶然や皮膚の色、両親に与えられる幸運によって人々の機会や健康がそのまま枯れてしまうことなどのないより良い、より公正な世界を作るという展望があるのであれば、答えはこうだ:

私たちはそれを求めて長い道を行かねばならない。

私たちがこの報告を通じて示したように、行動は実行できる。しかし、首尾一貫した行動が決定要因を横断して ―上に設定した行動領域を横断して― 形成されなければならない。

それはより直接的な幸福を可能な限り確実にするため構造的不公平を根絶しながら進められる。

これを達成することは人生の始まりから開始して全人生のコースを通じて生じる変化を起こすだろう。

健康格差を一世代のうちに終わらせようという呼びかけにおいて私たちは、国々の中での健康の社会的勾配、あるいは国々の間での劇的な違いが30年間でまったく消えてしまうとは考えていない。

しかし、健康が改善するスピードと、変化を達成するの必要な方法の双方についてこの最終報告で産み出されたエビデンスは、かなりの規模で格差をなくすことが実際に達成可能であると私たちを勇気づけるものである。

これは長期間にわたる課題である。それは今すぐ投資を始めることを要求し、社会政策・経済秩序・政治行動の大きな変化を伴うものである。

この行動の中心には、人々やコミュニティや今日公正な分配を受けていない国々の権限向上(エンパワーメント)がある。変化のための知識や方法は手の中にあるし、ともにこのレポートに紹介されている。

今何をなすべきかは政治家がこれらの抜群に難しいが可能な変化に備えることである。

行動しなければ、来るべき数十年において、われわれの肩に担われるべき責任をはたすことの大規模な失敗が見られるだろう。

(終わりに)

健康の不公平を軽減することは健康の社会的決定要因委員会にとって倫理的緊急事項である。

いまや社会的不正義が大規模に人々を殺しているのだ。 (終了)

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