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2009年9月 1日 (火)

フェルメールと加藤周一 風景画の起源について: 加藤周一「語りおくこといくつか」かもがわ出版2009

「映画『オランダの光』」

2005年 上記映画の上映にあたっての講演。

それまで宗教画の背景にすぎなかった風景が、絵画の中心になったのは17世紀のオランダからだと加藤さんは言う。画題の革命がおこり、風景と同時に庶民がもう一つの中心として現れた。

講演の中で、加藤さんはフェルメールに言及する。レンブラントを踏まえて出てきた、と言っている。カラバッジョーレンブラントーフェルメールという系譜があるのだと。

ところで、なぜ、オランダで画題の革命が起きたのだろう。私が考えるに、これは当時のオランダが封建主義から抜け出した資本主義の最先進国だったからに違いない。

ここでふと思い出すのは 柄谷行人「風景の発見」である。彼は、個人が確立するとき、客観と主観が対になって現れ、それは幾何学的遠近法という装置を作り出すとしている。具体的にはヨーロッパではダ・ヴィンチが「風景」を発見し、全面的規模となったのはロマン派においてであるといっている。

加藤さんの話と柄谷の書くところは大きく違う。どちらが正しいということは私などに判定できるものではない。

ただ、画題の革命も、風景の発見も、広く市民革命の所産だろうということは言えると思う。

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