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2009年6月28日 (日)

ソリッド・ファクトを勉強しながら…日本人の糖尿病について

日本内科学会雑誌の最近の糖尿病特集でも、日本人は遺伝的に膵臓のベータ細胞のインスリン分泌能力が低いので、軽度の肥満によるインスリン抵抗性の上昇→インスリン分泌需要増加に対しても、容易にインスリン分泌の相対的不足・破綻を来たし、2型糖尿病が発生する、とごく当たり前のように書いてある。したがって、白人はものすごく肥満してもなかなか糖尿病を発症しないのに、日本人は小肥り段階で糖尿病を発症しやすいというわけである。

しかし、どこに、日本人一般の遺伝的特性などというものがあるのだろう。遺伝的に日本人は単一ではなく、かなり多様である。(たとえば、縄文人と弥生人のように・・・それは俗説らしいが、一つの例として)

ソリッド・ファクトの小冊子に興味深い図が載っている。幼少期、という項目にあるものだが、出生時体重の連続的勾配に対して、64歳男性の糖尿病罹患率が見事に連続的勾配を見せて照応している。すなわち、胎児期の環境が悪く低体重で生まれる子どもは、60歳代になってより多く糖尿病を発症しているのである。これは、選び抜かれた、確かな事実 ソリッド・ファクトの一つである。

わけのわからない「日本民族の遺伝」をまるで大日本帝国時代のようにふりまわすより、胎児期環境を論じるほうが、日本で居住している人間一般に共通する何かを探り当てる率が高いだろう。

成人期の膵臓ベータ細胞のインスリン分泌能に制限を生じるような、日本社会特有の、胎児期、あるいは乳幼児期のありようというものはないか?

それに似たものに第2次大戦中のオランダで生じた「飢餓の冬」というものがある。この時期に胎児だった人たちは、成人後の健康上さまざまな障害をもっていた。糖尿病罹患率も高い。

日本の戦後のベビーブームの時期も食糧事情は悪く、その中で生まれたいわゆる団塊の人たちは、、その不良な胎児期・乳幼児期の栄養環境のため、糖尿病、腎臓病になりやすいのではないだろうか。最近の糖尿病罹患率の上昇にその影響はないのだろうか?

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