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2009年5月21日 (木)

民医連とロールズ 「もっとも困難な状態におかれている人びと」規定について

民医連綱領の改定作業に関して、議論の熱い焦点となっているところに

①「働くひとびとの医療機関」という自己規定を「非営利・協同の事業体」と変更すること、

また

②使命のなかに「日本の社会の中でもっとも困難な状態におかれている人びとのいのちと人権を守る立場から、医療・社会保障の民主的変革をめざす」という一文を挿入するということ

が挙げられる。

なかでも「もっとも困難な状態におかれている人びと」が、情緒の問題でなく社会科学的にどう正確に規定できるのか、また、この文言が持ち込まれてきた由来は何かということは、かなり難問である。

これについて私もここのところ、ずっと頭を悩ましているわけだが、川本隆史さんの「ロールズ 正義の原理」講談社2005を読んでいて、ひょっとしたらと、と思うことがあった。

同書によると、ロールズの「正義の二原理」の第二原理第二項は、1990年代には次のように表現されている。

【第二原理】社会的・経済的不平等は、以下の二条件を満たすべきである。

(二)「社会で最も不遇な成員の最大の便益に資するような不平等であること」

(同書230ページ)

「社会で最も不遇な成員」=「もっとも困難な状態におかれている人びと」

これは誰しも思いつくことである。ロールズの正義論にもとづいて民医連綱領は改定されようとしているのではないか?なんという画期的なことだろう。

そういえば、副会長をしている宮城のK先生が「高柳 新元会長の最大の貢献は、民医連にロールズを紹介したこと」といっていたのを思い出した。

「もっとも困難な状態におかれている人びと」や「非営利・協同」という概念を民医連で最初に使い出したのは、もしかすると高柳先生かもしれない。

しかし、ぜひ本人に確かめようと連絡先を探したが、もう引退しているようでつかまらないのである。

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