もう さそり座が見える季節になった
ある夕方の会議に参加していたら次第に不愉快さが募ってきた。
なぜ自分の同僚たちがこうも耐えられない存在なのかという理由を考えていると、帰るのが深夜になった。
いつものように自転車で暗い国道脇の歩道を走る。
2週間前は満開だった桜の下を通ろうとすると、岩間輝美さんが立っていた。
(もう死んだはずなのにどうして)と思うと姿は消えた。そのとき岩間さんが何か言った気がして、それを考えると、きりもなく涙が溢れてきた。
坂道を登りきって、南に大きく開けている空を見ると、もうさそり座が見え、アンタレスが光っているのだった。
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