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2009年4月16日 (木)

綾屋紗月+熊谷晋一郎『発達障害当事者研究――ゆっくりていねいにつながりたい』医学書院、2008

この本を読むきっかけになったのは、長崎大学教授の池田正行先生の紹介文だった。私の理解のために変形して「超引用」すると次のような文章である。

「発達障害当事者研究
普段,我々は自分の身体というジャンボジェット機の自動操縦をしている.しかし,何か不都合なことがあると,手動操縦に切り替わる.

発達障害とは,常に何らかの感覚入力で部分的にせよ手動操縦を要求されているジャンボジェット機の操縦士のようである.パニック発作とは,完全手動操縦への突然の切り替え要求である.

そうだったのか。そんなふうに辛かったのか。発達障害当事者への同情ではなく、理解と共感を呼び起こしてくれるはずである。 」

これを読んですぐに注文した。その日のうちに本は届いた。しかし、読み始めたのは数日後である。

ところで池田先生のブログにはもう一つ面白い文章がある。ただし入力間違いがあるようなので、これも私が、勝手に「超引用」しておく。

「国立秩父学園を辞めて長崎に移るとき、もう、発達障害者の療育とはしばらくおさらばだなと、一抹の寂しさを感じたのですが、とんでもない、長崎でも、40名近くの発達障害者集団面接会に参加させられる羽目になりました。全て男性で、40歳以上、知的障害がない点が大きな特徴です。
医学部教授って、発達障害者の雇用枠だったと、これまでも意識下では切実に感じていたはずなのですが、実際に教授会に参加してはじめて」明確に理解した。

教授会なんて覗いたこともないが、まさにそうなのだろうなあ。

先日も友人と、「周囲にいかにオトナがいないか!コドモというより ガキばかりしかいない世界に生きる我々の不幸」を、自分たちは棚に上げて嘆いたものだったが、みんなそういう悩みのなかで生きているのである。

さて、この本はあまり速読には向いていない。ゆっくりと理解したほうがよい類の本である。

そこで、読みながら、私の意識に浮かんできたことを、順不同に記録していこうと思う。

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