「エル・システマ」とグスターボ・ドゥダメルの放送番組を見た
昨夜深夜から今朝未明にかけてNHK BS-hi で放送されたべネズエラの社会=音楽運動「エル・システマ」のドキュメンタリーと、その中から生まれた指揮者グスターボ・ドゥダメル、および国立のシモン・ボリーバル・ユース オーケストラの、昨年12月の東京芸術劇場での演奏録画は、その時間帯の奇妙さから、最初の1時間は見逃し、終わりの1時間は、今日の仕事の関係上、なくなく切り上げる結果となった。「マンボ」は聞けずじまいだった。
それにしても、ベネズエラの貧困地域の様子はハバナの街全体によく似ていた。しかしいつ流れ弾で死ぬかもしれないという恐怖がカラカスの町には付きまとっている。ハバナは安全で、おそらく夜の散歩が可能である。
音楽が社会を変えていく、その直接的な力は、その前夜に放送されていた、バレンボイムとウエスト・イースト・ディバイン(=「西東詩集<ゲーテ>」)オーケストラのドキュメンタリーと演奏でもよく現れていた。
バレンボイムの天才振りはただ憧れて見るばかりである。
余談だが、東京芸術劇場の録画は、観客の表情を細かく捉えて秀逸だった。約100人くらいの観客の表情だけからの観察であるが、楽しそうでもなく、魅了されているようでもなく、退屈そうで落ち着きがなく、拍手だけにはやたら熱心だった。
バレンボイムのバイロイト祝祭劇場での演奏でも、曲の途中で勘違いして拍手したりブラボーと叫ぶものがあってそれをバレンボイムがさえぎる身振りをしたりしたのが2回くらいはあって面白かった。
まぁ、シェーンベルグの曲は、調性がまったくなくて、スリラー映画のバックミュージックのようで、全体の構造が演奏を聴きながら理解できるというようなものではなかったので、曲の終わりを間違う人のほうが普通だという気はした。あんな曲を聴いて満足する人も確実に育っているのだろう。
以上、すべて素人の感想に過ぎない。
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