池澤夏樹 100年インタビューを見る
NHKBSーHiで90分にわたる池澤夏樹のインタビューを見た。
ふと気づいたことがあった。
私のブログの名前の「静かな日」は池澤の小説 「スティル ライフ」から思いついたのだった。
世界という木と 私という木が もともとは何の交渉もなく 並んで立っている、
しかし、私という木の中のもう一つの世界に気づくことから、
そばに立っている世界という木との間に何らかの関係を築こうとし始めるという意味の
この小説の冒頭の文章に触発されて、私はこのブログを書き始めたのだった。
レーニン風に言うと、私という木のなかに広がる世界は、そばに立っている世界という木の反映である。私が、私の中に広がる世界を真剣に考えるなら、それがどのようにもう一本の木もう一つの世界を反映しているかを考えざるをえない。
そして、内側に世界を抱えた木は私だけではない。誰だってそんな木であるのだ。
夕暮れの中に木々がずっと向こうまで一直線に並んで立っている。
風が木々の葉を揺らす。その風でつながりながら、ただ並んで立っているしかない。そのイメージに私は耐えられないほどの寂しさを感じて、「静かな日」というタイトルを選んだのだった。
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