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2008年12月 5日 (金)

転換してみたら大変だった!当たりまえだろう?・・・新型老健の話

厚生労働省は11月28日の社会保障審議会・介護給付分科会で、すでに「療養病床」から新型老健すなわち「介護『療養型』老人保健施設」に転換した8施設の実態調査結果を発表した。

注目されるのは、医師・看護師の数もそれなりに多い療養病床(病院)には入院する必要のない人ばかりを入所させて構成できると思われた「介護老人保健施設」に中等症、重症者が2割存在したこと、また入所者1人あたりの医薬品・医療材料費平均は、重症者が多かった転換の前と変わらなかったことである。

このことは、医師を減らし、看護師を減らした「介護老人保健施設」が、少なくとも2割の入所者には安心できない、危険な施設となっていることである。

さらに、医療費用が変わらないところからみると、軽症とされている群が決して軽症の人ばかりでは構成されていないことを示している。

いったん入院するほどまでに健康破綻を生じたあとの高齢者の状態は不安定で、ある日の断面調査で、軽症、中等症、重症の分類ができるはずはないのである。

そこで、転換した施設側の要求は、もとの療養病床なみの人員が維持できる介護報酬である。

それはそれで、入所者の安全を守る上で正当な要求なのだが、「そもそも転換などしなければ良かったのだ」、という意見が出るのは当然だろう。

厚生労働省の官僚としては、こうなってしまえば、医療費が下がろうと下がるまいと、療養病棟が減ってくれれば、自分の地位を守ることができる、ということに賭けてくるのだろう。それは年金問題での不正が目を覆わせる社会保険庁と同根の姿勢である。

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