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2008年12月 3日 (水)

福祉制度の後退に直面して:アクティビストとしての瞬発力の問題

以前から、時々情報が漏れてはいたのだが、県独自の障害者福祉制度が後退させられようとしている。

県の制度として身体障害者手帳1級のみでなく、3級にまで広げて医療費自己負担を無料にしているのは全国で20県しかなく、山口県もその中に含まれている。それ以上のところは、私の記憶では富山県のみである(現在がどうかは知らない)。

その単県福祉制度について、県が無料化を止めようと検討していることを正式に表明した。

診療報酬について言えば、たとえば在宅酸素療法をしている人は酸素分だけで月76800円になるので薬剤などを加えると10万円くらいになる。患者自己負担は、3割負担の人なら月3万円、普通の収入の高齢者なら1割負担で約1万円くらいになる。、これが身体障害者3級となれば無料になって助かっていたところが、1割、悪くすれば2割の負担が課せられるのである。

*その後、定率でなく定額負担を計画しているという報告があった。こうして情報を小出しにすると、反対運動が難しくなる言う猿知恵を、おそらく無意識にだろうが、行政側は身に着けているのである。

私が診療している人の場合、患者の大半が貧しい、病身の老人である。これは治療が続けられるか、続けられないか、生きていけるか、生きていけないかという問題である。

こういう時、「腎友会そのほかの障害者団体と相談して・・・」と提案する事務系活動家がいる。

何を言っているのだろう。

これまで、いろいろな運動の最終局面で、彼ら、行政や自民党との結びつきが強い団体の幹部は、私たちを裏切り続けてきたのではないか。もちろん、交渉を否定するわけではないが、そんなものは優先順位としてはきわめて低いはずだ。

まず、するべきことは、医師が自分で診察している目の前の患者さんの抗議を緊急署名の形で取り上げることではないのか。

やはり、現場で患者に直接接している医師アクティビストでなければ分からない優先度、医師アクティビストでなければ発揮できない瞬発力というものがある。

事務系の活動家も大切だが、彼らが、自分たちだけの発想で運動が進むなどと考え始めたら、終わりの始まりである。

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