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2008年7月 8日 (火)

日本医師会産業医講習会:駒込・・・会議のない出張 1

久々に会議のない出張に出かけた。

東京の駒込駅近くにある日本医師会館で開かれた産業医講習会。3日間連続の講義だけ。これに出席すると産業衛生コンサルタント試験の筆記試験が免除される。

10年前くらいに1回出席したが、退屈で退屈で、医師会そのものが無意味な大伽藍にすぎないと感じて帰ってきたが、今回は少し感想が違う。

みんな、講義がへたくそなだけなのだ。

たとえば学究肌の名誉教授や厚生労働省のお役人のように明瞭に発音する人はひたすら平板な話し方になり、工学部出身で産業医大教授になっている熱血初老は声は大きいが語尾が全く不明瞭で、話がひたすら横道に逸れ、言っていることの半分も意味が分らない。「ここが試験のヤマです!」といわれても予備校ではないし、ね。

一応この世界のトップにいるらしい高田さんは比較的発音明瞭だが俗っぽいことにかけてはこのうえもなく、話もまとまりがない。「産業医大が北九州にできたのは、東京や大阪の知事が歩道橋ばかり作るような変な知事だったからですよ」と言ったりする。「だから共産党はだめです」なんて天下の日本医師会の大講堂の壇上でいう言葉じゃないだろう。

そういうわけで、聞いているほうがたまらないのは10年前と同じで、半数以上の参加者がどの断面を観察しても居眠りしていた。当然である。

だが、私個人に限ってみれば、話されていること自体はそれなりに面白いと思えたのが10年前とは違うことだ。

なかでも高田さんの講義レジュメを読み返すと、きわめて要領よくまとまったもので、記憶すべきテクニカルタームがちゃんと選んであるし、「大会社の社長さんの集まりなんかに講義にいった時や、外国での会議の時、『日本の労働衛生行政の実態はこのようでございます』とこれを使って説明すると、『ほーそうか』と感心していただけるよう作ってあります」と話すのはなんとも具体的で下世話なことだが、確かに役に立つものになっている。

結局、今回一番の収穫が高田さんの講義レジュメである。

これは僕のほうの理解力がこの10年間に向上したということだろう。細々ながら産業医活動してきたので、専門家の訓練されていない講義の中にも共鳴する話題を見つけることが出来たのである。

10年前もこの講義は面白いと思って聞いた人は何割かいたのだろう。

こういう風に、つまらなかったものが面白くなるという物事の意味の反転が生きていることの醍醐味なのかもしれない。なんとも大げさな言い方だが。

労働衛生コンサルト試験は受けてもよいが、企業から報酬をもらって相談を引き受けることなんてほとんどありそうにないので、自己満足で終わるような気がしないでもない。

この出張のほかの出来事は、次回に。

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