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2008年4月14日 (月)

田口麻奈論文:雑誌ユリイカ 08年4月号

大学院博士課程在学中の姪が書いた評論が雑誌「ユリイカ」4月号に掲載されたと妹が言うので買ってみると、確かに名前がある。テーマは戦後詩の荒地派のようだ。

その内容について書く余裕は今の私にはないが、突然40年前の高校1年生の頃にひき戻された気がした。

広島の私立高校の文芸部にいた私は、高校間の交流企画で、ある日曜日に呉の県立 広高校まで出かけた。「安芸文学」というローカルな雑誌の常連という高校教員が、何校かの文芸部員に現代詩を講義するということだった。

この日取り上げられたのは、北村太郎の「雨」と鮎川信夫の「死んだ男」だった。

どんな講義が行われたかは忘れてしまったが、私がその教員に嫌われたのは確実のようだった。彼は女子学生しか相手にしないような日常を送っていて、広島の男子校にいる私などがこの企画に参加することが意外だったようにも見えた。

私の発言の後、「どうして、そう左翼的にしかものが考えられないんだ」と、顔の細い黒ぶち眼鏡のやせた教員は言った。

そう言われて、私は自分が左翼的であることを初めて自覚したのだった。と同時に、あまりの狭量なリーダーを持つ「安芸文学」はこれから手に取ったリすまいとも決心した。

そういえば、その翌年、高校がヘルメットをかぶった連中によって封鎖されるという事件があって、生徒みんなが熱心に議論しあう高揚した1週間が訪れたとき、1学年上の文芸部員が 「だから、お前はミンセーなんだよ」 と言ったことを思い出す。

そのとき、私は民青や三派全学連などについて何の知識もなかった。大江健三郎と小林秀雄とドストエフスキーを読むのに忙しい無色の高校生に過ぎなかったのである。「資本論」を図書館で数回借りたことはあるが、そのつど1ページも理解できず返却していた。

しかし、そのとき、自分は「ミンセー」と呼ばれる連中に近い感性を持っているのだと、初めて自覚した。そしてそれは見事に的中し、今の私につながっていくのである。

それにしても、いまどき「荒地」か・・・と私は思い、ある意味、まだ戦後が終わっていないことの象徴なのかもしれないと考えた。

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