中国人強制労働(最高裁判決)
4月27日、最高裁の第一小法廷と第二小法廷は、それぞれ「従軍慰安婦」と強制連行・強制労働について、中国人被害者が日本国や企業に損害賠償を求めた上告審で、どちらに対しても「日中共同声明で裁判上の個人請求権は放棄された」として請求を棄却する不当な判決を下した。
それでも、両法廷は、日本軍や日本企業の拉致・監禁・強制を認めた。特に第一小法廷は「慰安婦」の日本軍による強制連行を事実として認めた。安倍首相の「強制連行の事実は確認されなかった」という発言を完全に封じるものになるのではないかと思われる。
さて、私があえてこの話題を取り上げたのは個人的理由がある。中国人強制労働の現場は広島県加計町の安野発電所だった。私は父の勤務の都合で1967年から加計町に12年間住所があった。ただしその大半は進学のため、よその土地に下宿していたのだが、帰省の際に国鉄可部線で広島駅から加計に向かうと、終点加計駅の手前にその発電所が見えた。
山頂から太田川沿いの谷底まで大きな導水管を斜面に這わせているのが子供心に珍しく思って、いつも車窓から見るのを楽しみにしていたが、あれが戦前からあって、中国人の強制労働で作られたものとは知らなかった。
広島にいると原爆の経験が巨大すぎて、こういう事件はなかなか意識されにくいものかもしれないのだが、地域の歴史を知るという意味では見落としてはならないものだろう。
・・・そう書いた後、安野発電所の記事を調べていると、地元にはしっかりした裁判支援団体ができており、安野中学校でも、生徒が中国人強制労働について劇を上演していることを知った。きっと広島民医連も職員教育に取り入れているのだろう。
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