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2005年7月10日 (日)

中井久夫著「看護のための精神医学」

ベナー「看護論」を読んだ後、中井久夫著「看護のための精神医学」第2版2004、医学書院を読んでいる。

昨日、精神科研修医2年目の若い友人に会うことがあり、話は中井久夫氏の文章の奇妙さに及んだ。思いつきに近い枝葉の伸びた形容が繁茂して、主語述語を定めがたいような独特な文章。やはり悪文としか言いようがないだろう。それが魅力でもあるのだが。

「躁状態で一気に書くらしいんです」と若い友人が教えてくれた。精神科の世界では誰でもが知っているというような口調だった。

そんなものだろうか?

今朝、明け方の豪雨で目が覚めてふと思いつき、同じく中井久夫著「治療文化論」岩波同時代ライブラリー、1990を読み直してみると、知り合いの話として、締め切りに迫られると、パノラマのように押し寄せる記憶の洪水が生じ、その中で激しく執筆する人の記述がある(p60-61)。これが誰あろう中井氏自身のことだということは、この本のあとがきの中で、「デキゴトロジスト」の運命に陥った自分について触れられているので間違いないことだろう。

この記述が上のようなうわさを作っているのかと納得した。

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