自分を運ぶ
小さな台風が来ている日の寂しい海岸でウインド・サーファーに挨拶された。
まるで、山道ですれ違うときのように。
なんだか変だなと思っていると、「Aです」と名乗られた。
それでも誰か思い出せないうちに彼は沖へ行ってしまった。
大変な速いスピードで、向こうの無人島に用事があるような勢いだった。
あとで、僕が産業医をしているトラック運送会社の若い社長だと思い出した。
服装が違うと、貯蔵した記憶の海馬への呼び出しが遅れる。
それにしても、他人の荷物でなく、自分を運ぶときはどんな冒険も平気なのだ
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