全日本民医連の医療安全委員長をしている東京健生病院の根岸先生から、彼が作成中のチームSTEPPSの教材の資料を貰った。
英語のドラマ仕立ての動画に、根岸先生自身が字幕を付けているものである。
ところがUSBで貰った資料の再生が僕の使うボロパソコンでは難しく、字幕部分が上手く並べられない。結局、動画を繰り返し見て英語の台詞を聴きこんで、何とか再現したのだが相当時間がかかった。
根岸先生自身が同じことやってしまえば、数分でできるものを3時間くらいはかけてしまった。
そういう労作なので、本来は他人の作物とは承知しながら、自分のブログにアップすることにした。
根岸先生から抗議が来れば取り消す予定である。
患者 エディ・トーマス ERをよく受診する患者。 息切れ、足関節周囲の腫れ、下顎の痛みを訴えている。 「胸に象が座っているような感じ」 ハル・アダムス(正看護師)がいつもとは違うエディの様子に気づいた。
月曜 午後 3時15分
ハル: ルシンダ、スミス先生を呼んでくるまで手伝ってくれないか。エディが新しい胸痛を訴えているんだ。 血圧は90/60、脈拍は110、顔面蒼白で冷や汗をかいている。 ペグが酸素を開始して12誘導をとっている。 心筋梗塞だと思う。モニターを付けて点滴を開始しておいてくれ。スミス先生を呼んで2分で戻る.
ルシンダ: かわいそうなエディ。他に痛みはないの?
ハル: ないよ。少し彼に聞いてみてくれ。
月曜午後3時25分
ハル: スミス先生、6号室のエディ・トーマスですが・・・・。
スミス医師: ちょっと待って 電話だ。
ハル: エディ・トーマス、56歳男性でうっ血性心不全で何度も来院されています。 スミス医師: (電話を続ける)ラシックスを40mg静注して酸素開始。それをやったらすぐに診察に行く。部屋を開けておいてくれ。
ハル:スミス先生、心配なんです!
スミス医師:後で電話する。 それでハルどうしたんだ
ハル: エディはいつもの心不全ではありません。胸骨後面から下顎にかけての締め付けられるような感じがあり、蒼白で冷や汗をかいています。血圧は90/65、脈拍は110です。 酸素を開始して12誘導をとっています。私は心筋梗塞と考えます。すぐに診察していただけますか?
スミス医師:君の言うとおりだとすると心筋梗塞だな。すぐに行こう。8号室だったかな?OK6号室か。よし行こう。
月曜3時45分
ペグ: 心電図です。 スミス医師:ふむ。急性心筋梗塞だね。 よし、みんな集まってくれ。 これから行うことを確認しよう
スミス医師: カテ室への入室準備を急ごう。
ハル: 確認します。
スミス医師: よし、とりかかろう。
カレン: 酸素4Lを鼻カニューラで開始、小児用アスピリンを2錠投与しました。血圧が低いのでニトログリセンの使用は控えています。モニターに装着しました。
スミス医師: いい判断だ。ニトロは待機。血液データの結果は?
カレン: 現在測定中です。15分で結果が出ます。
スミス医師:患者に)胸痛があるそうだね。 この痛みはいつもの心不全とは違う よ。 心臓発作だと思う。これから多くのことを行うけれど、後で必ず説明するからね。
月曜午後4時30分
ハル: 胸のレントゲンです。それから心カテチームからあと5分で入室可能と連絡がありました。3番にマーチン先生から電話です。
スミス医師:(患者に)また後で。
スミス医師:やぁボブ。
マーチン医師: ハイ、ボス。僕にダイエットをさせるつもりかい? 食事しようとする度にERから新たな患者だ。
スミス医師: いや、君に忙しく働いてもらっているだけだよ。今回はハルが見つけた患者なんだ。
マーチン医師:それで?
スミス医師: 患者はエディ・トーマス、56歳男性、ウイルス性心筋症の既往があり、うっ血性心不全で何度も来院している。痛みの性状は「引き裂かれるような」痛みで、今日、前壁の急性心筋梗塞を発症し早期の心源性ショックを呈している。
今回と以前の心電図は用意してある。
既往にはウイルス性心筋症があるが冠動脈疾患はない。大動脈解離はないと思う。
アスピリンとヘパリンを投与しインテグリリンを開始した。血圧が低いのでβブロッカーとニトロは待機、血液データは結果待ちだ。
マーチン医師:Ok ボス。 頻回の心不全の既往のある患者の新しい胸痛、心電図では前壁の急性心筋梗塞の所見、アスピリン投与済みでニトロは待機、検査結果待ちだね。 あとはこちらで引き受ける。
月曜6時45分
スミス医師: ハル、今日はよかったよ。 コミュニケーションは正確ですぐに必要な治療に結びつけることができた。 グッジョブ!
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以下は振り返りのため、各シーンをもう一度分析的にみることになる。
◎どこが良かったでしょうか?
① Hand Off アメフト用語で「ボールを渡す」には
*CUS
Concerned 気になる ,
Uncomfortable ちょっと変,
Safety 大丈夫
のどの段階の問題だと思っているのかをはっきり表現する方法)
(ハルが「先生、気になるんです!!」と叫ぶ場面参照)や
*SBAR
Situation 状況 (患者の状態)
Background 背景 (臨床経過)
Assessment 評価(何が問題か)
Recommendation 提言(どうしたいのか)
を組み合わせて報告するとよい。
ハル: スミス先生、6号室のエディ・トーマスですが・・・・。
スミス医師:ちょっと待って。
ハル: エディ・トーマス、56歳男性でうっ血性心不全で何度も来院されています。
スミス医師: (電話)ラシックスを40mg静注して酸素開始。それをやったらすぐに診察に行く。部屋を開けておいてくれ。
ハル:スミス先生、心配なんです!スミス医師:後で電話する。それでハルどうしたんだ 。
ハル: エディはいつもの心不全ではありません。胸骨後面から下顎にかけての締め付けられるような感じがあり、蒼白で冷や汗をかいています。血圧は90/65、脈拍は110です。酸素を開始して12誘導をとっています。私は心筋梗塞と考えます。すぐに診察していただけますか?
スミス医師: 君の言うとおりだとすると心筋梗塞だな。すぐに行こう。8号室だったかな? OK 6号室か。よし行こう。
② Huddle 集まって議論する
ペグ: 心電図です。
スミス医師: ふむ。急性心筋梗塞だね。 よし、みんな集まってくれ。 これから行うことを確認しよう
カレン: 酸素4Lを鼻カニューラで開始、小児用アスピリンを2錠投与しました。血圧が低いのでニトログリセンの使用は控えています。モニターに装着しました。
スミス医師: いい判断だ。ニトロは待機。血液データの結果は? カレン:現在測定中です。15分で結果が出ます。
スミス医師:カテ室への入室準備を急ごう。
ハル: 確認します。
スミス医師: よし、とりかかろう。
エスミス医師:(患者に)エディ、胸痛があるそうだね。 この痛みはいつもの心不全とは違うよ。 心臓発作だと思う。これから多くのことを行うけれど、後で必ず説明するからね。
③ Hand Off (ボールを渡す) “I PASS THE BATON バトンを渡したよ“
ハル: 胸のレントゲンです。それから心カテチームからあと5分で入室可能と連絡がありました。3番にマーチン先生から電話です。
スミス医師: また後で。
マーチン医師:僕にダイエットをさせるつもりかい? 食事しようとする度にERから新たな患者だ。
スミス医師: いや、君に忙しく働いてもらっているだけだよ。今回はハルが見つけた患者なんだ。
マーチン医師: それで?
スミス医師: 痛みの性状は「引き裂かれるような」痛みで、既往にはウイルス性心筋症があるが冠動脈疾患はない。大動脈解離はないと思う。 アスピリンとヘパリンを投与しインテグリリンを開始した。血圧が低いのでβブロッカーとニトロは待機、血液データは結果待ちだ。 スミス医師: 私はもうすぐ勤務終了なので、何か聞きたいことがあったらハルに聞いて欲しい。
マーチン医師: 頻回の心不全の既往のある患者の新しい胸痛、心電図では前壁の急性心筋梗塞の所見、アスピリン投与済みでニトロは待機、検査結果待ちだね。 あとはこちらで引き受ける。
④ Positive Feedback 褒める
スミス医師:ハル、今日はよかったよ。 コミュニケーションは正確ですぐに必要な治療に結びつけることができた。 グッジョブ!
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